皆さんは 肩こり が我慢できないほどになったときに、病院へ行くことをご検討されますか。わざわざ 外来 へ足を運ぶほどのことだろうか、大げさな気もするしどうしようかと思い悩んでいらっしゃる方も少なくないことでしょう。
しかし、気後れする必要はありません。病院でどのような対応や治療を受けられるのかシミュレーションをしてみましょう。
肩こりで外来へ行くときの心がまえ
肩こりは立派な診察対象
最近は「肩こり外来」という肩こり専門の外来を設けている病院が増えています。まずはお近くにそのような病院がないか調べてみると良いでしょう。肩こり外来では、肩こりのほかにも肩のさまざまな症状や病気から派生した痛みなどを専門に診てくださいます。
一般的には肩こりは主に整形外科の担当ですが、肩こり外来では整形外科医の中でも肩こりを専門とする医師が診断しますので、より詳細に診てもらえそうだと期待して良いかと思われます。
まず、検査の前に医師による問診があります。あらかじめ準備をしておきましょう。肩こりの部位、発症した時期、現在の状態たとえばこのような痛みがある、寝ているときはこんな感じだなど、原因として思い当たることを忘れずにお伝えできるよう、メモを作っていくと万全です。
問診の後、レントゲン検査やMRI検査などで骨の形や炎症部分を診断し、治療方法を検討します。
さまざまな治療法
医師は患者さんの来院可能日数やご体質などもお話し合いをしながら、現時点で最良と思われる治療法から施します。電気刺激療法は、高い電圧の電気刺激を短い時間当てます。こうすることで、ふつうの低周波では届きにくい筋肉の深部の痛みやコリをほぐします。
近赤外線照射法は、近赤外線を患部に照射してからだの内部から温めて血行を良くします。同じ温熱療法に、ホットパックという蓄熱材が詰まったパックを使用して患部を温める方法があります。
体内の表層を温めて代謝を良くし血行改善を即します。温熱療法は継続的に行うことがポイントです。
超音波療法は、超音波を患部周辺に当てることで温熱効果を発生させ、超音波がからだの深部に進むにつれて高速度のミクロマッサージ効果を発揮します。手もみマッサージと比較して数倍の圧力を深部に直接与えてくれます。
そのほか、頚椎に異常がある場合は牽引療法なども提案されます。
治ったわけではない
治療を継続して、注射やお薬を処方してもらって、確かにこりや痛みは和らぐことが多いですが、完治したのではありません。これらは症状を一時的に緩和するための対処療法であり、いわば脳を騙しているような状態です。
ひとまず肩の関節を動かしやすくして、運動療法などに取り組みやすいからだに近づけようという導入治療です。ですから、根本的に肩こりを治そうと覚悟を決めたら運動することを億劫がっていてはいつまで経っても改善しません。
医師から運動や生活習慣、食生活の改善方法についてもお話があるかと思われます。今までの楽しい不摂生な生活とは正反対の提案をされて気が滅入ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、真摯に受け止めましょう。
具体的には、ウォーキングやラジオ体操、ストレッチなどの軽めの負荷をかけるところから始めます。いきなりジョギングをしたりするのはかえってからだに悪い行いですし、長続きもしないことでしょう。
また、猫背で座りっぱなしの生活をしているというご自覚があるのでしたら、背筋を伸ばして生活する意識を持つ必要があります。
好きなものを好きなだけ食べるのも決別しなければなりません。お肉よりも魚、お菓子よりも果物を摂取するのが理想ですが、我慢しすぎてストレスになっては血行が悪くなり肩こりも悪化します。好きなものを少しだけ食べるのが習慣にできると良いでしょう。
まとめ
肩こりで外来へ行くときの心がまえ
肩こりは立派な診察対象
さまざまな治療法
治ったわけではない