現代社会に生きる人の抱える問題の1つである肩こり。その 肩こり の訴えに、 めまい の症状が加わる場合も少なくありません。
一時的なものであっても、重大な疾患のサインである可能性もある、めまい。その肩こりとの関連を考えてみましょう。
めまいを伴う肩こりの3つの原因
めまいの種類
一言にめまいと言っても、その症状によっていくつかの分類がなされています。特に、頭がふわっとするような感じのめまいは動揺性めまいと呼ばれています。足が宙に浮いているような、または船の上で揺られているようなふわふわした感じに襲われます。
この動揺性のめまいは肩こりと関連していることも多く、“頚性めまい”と言われることもあります。また、一般に立ちくらみと呼ばれるめまいも、動揺性めまいと似ているふわっとした感じのめまいを招きます。
立ちくらみは起立性低血圧とも呼ばれ、突然立ち上がった際などに脳へ十分な血流が供給されずに生じます。自分やその周囲がぐるぐると回っている様に感じるめまいは回転性めまいと呼ばれます。
この回転性めまいめまいは、平衡感覚を司る三半規管の異常に伴って生じることが多く、時折軽い吐き気を伴うこともあります。このようなめまいの中では、動揺性めまいと肩こりとの関連が深いとされています。
筋肉の緊張
肩こりの原因として最もポピュラーなのが、首周り、肩周りの筋肉の緊張です。筋肉の使い過ぎによって筋肉は凝り固まっていき、筋肉内の血流障害を招きます。さらに、個々の筋肉はそれぞれ連携し合って働いているため、首まわりの筋肉が緊張していくことで、次第に頭周囲の筋肉も凝り固まってしまいます。
これによって頭を締めつけられるような頭痛やふわふわとしためまいが生じます。この時の頭痛は緊張型頭痛とも呼ばれます。
自律神経の乱れ
また、自律神経の乱れも肩こり、めまい双方を引き起こす原因となります。自律神経は交感神経と副交感神経の2種類からなります。交感神経は活動を司り、副交感神経は安静を司るとされ、交感神経の緊張は肩こりを誘発することが知られています。
さらに自律神経の乱れはめまいも引き起こします。交感神経の活性によるめまいはふらふらする動揺性めまい、クラクラする回転性めまいのどちらも起こる可能性があります。また、自律神経の乱れはめまい以外にも耳鳴りや頭痛、不眠などの症状を併発することもあるため、注意が必要です。
脳の血流障害
脳を栄養する血管の1つである椎骨動脈という部分の血流障害である、椎骨脳底動脈循環不全という状態でもめまいや肩こりが生じる可能性があります。これは椎骨動脈が走っている首の骨である頸椎の中が、骨の棘などの原因で狭くなり、椎骨動脈が圧迫されるまたは刺激されることで生じます。
この場合は首の動きに伴ってめまいが起きやすくなるという特徴があります。首を動かしたふとした拍子にめまいが生じてしまうため注意が必要です。
めまいと関連する疾患
このような原因で肩こりと関連しているめまいですが、めまいはこの他にも脳を中心とした疾患の予兆であることも考えられます。特に、怖いのは脳梗塞や脳出血などの脳血管障害です。
人の脳はいくつかの部分に分かれていますが、大脳と呼ばれる部分の脳血管障害ではめまいが生じることは少ないです。しかし、小脳や脳幹の出血、梗塞では初期症状といてめまいが起こることも少なくありません。
めまいの訴えだけでは、なかなか脳血管障害とは結びつきにくいかもしれませんが、手のしびれや段差につまずくなど、呂律が回らないの症状も伴う場合には、一度脳神経外科を訪れるのも良いでしょう。
また、疾患が原因のめまいとして多いのはメニエール病などの耳の病気によるものです。めまいに加えて、吐き気や頭痛、耳鳴りなどの症状を伴うこれらの疾患は耳鼻科や内科を受診するのが適しています。
めまいだけだから大丈夫、と放っておくと、大きな疾患を見逃してしまう可能性もあります。めまいが長い間続く、めまい以外にも気になる症状がある、という場合には、一度医療機関を受診することをオススメします。
まとめ
めまいを伴う肩こりの3つの原因
めまいの種類
筋肉の緊張
自律神経の乱れ
脳の血流障害
めまいと関連する疾患