肩こり のような慢性的に繰り返される痛みというのは、どの程度まで 治す ことが出来るのでしょうか?腰痛や頭痛に比べて差し迫ったものを感じない分軽視されがちなのですが、肩こりが引き金となって頭痛や、他の疾患を招かないとも限りません。出来るだけの対処は必要です。
肩こりを治すために大切なこと
肩こりの症状と原因
首や肩は、常に頭と腕を支えて負担を強いられています。首や肩の筋肉が緊張し続けると血管を圧迫し、血液の循環が悪くなります。
血行不良により循環の悪くなった筋肉や周囲の組織はだんだん硬くなり、痛みやコリを感じるようになります。長時間のデスクワークや、カバンをいつも同じ方の肩に掛けているなどの日常的な癖によって、このような状態を引き起こします。
加齢による筋力の低下が、肩こりを引き起こすこともあります。すなわち五十肩や頸部脊椎症(けいぶせきついしょう)などがそれに当てはまります。
五十肩は肩関節周囲炎とも呼ばれています。その名のとおり肩関節の周囲の腱や筋肉の衰えにより、肩関節の動きが制限され痛みやコリを感じるようになります。
頸部脊椎症は、首から肩にかけての頸椎(けいつい)における関節のクッションの役割をしている椎間板の劣化によって引き起こされます。加齢と共に、椎間板が硬くなったり損傷したりすることによって首や肩に痛みやコリを感じるようになります。
歯のかみ合わせの悪い方、虫歯があり片方だけの歯で噛むくせのある方なども肩こりになりやすいと言われています。
また低血圧、貧血気味の方や、精神的なストレスも肩こりを引き起こす要因のひとつです。
緩和させることと治ること
肩こりだけではなかなか医療機関を受診しようという気にはならないという方も多くいます。そのためセルフケアによって、痛みやコリに付き合っていくという方法が一般的です。
頭痛やめまい、吐き気など他の症状を伴う場合には、速やかにその原因を特定し、専門医へ相談されることが望ましいでしょう。
歯のかみ合わせや虫歯が原因の場合には歯科へ、視覚障害等の場合には眼科へ、それぞれの原因を取り除いて、それでも肩こりだけ残る場合、仕方なく消炎鎮痛剤を貼付または服用し、肩こりと付き合っていくことになります。
けれども、これは痛みやコリを緩和させて上手に付き合っていくということに他なりません。常に再発の不安を抱えながら生活するということです。肩こりとはそういうもの、とお思いの方がほとんどです。
治すということを考えると、肩こりに対して真正面から向き合わなければなりません。肩こりは治るもの、と言う前提で治療に取り組んでいきましょう。
肩こりにならない生活
痛みの激しい場合には消炎鎮痛剤や鍼灸マッサージ・指圧などは効果を発揮します。しかしながら一時的に痛みが緩和されたからといっても対処療法にすぎません。
鎮痛剤は服用が長引くと、だんだんと効果の期間が短くなり、薄れていくこともあります。より強く、よりたくさんの薬を求めるようになる前に、薬を断つことも考えなければなりません。
肩こりに対してもっとも大切なことは、肩こりにならない身体をつくり上げていくことです。適度な体操、筋力トレーニングにより、しなやかな強い筋肉を維持できればそれに越したことはありません。
しかし、トレーニングに無理は禁物です。かえって筋肉を損傷することの無いよう注意しなければなりません。
左右のバランスの良い姿勢、生活習慣を身に付け、自律神経系を常に良好に保つように心がけなければなりません。精神的にストレスが溜まらないようリフレッシュする時間の余裕を持つようにしましょう。
実はそれが出来ないから肩こりに悩まされているのだ、とお叱りを受けそうです。痛みやコリには個人差もあり、どの程度を痛いと感じるか、違和感を覚えるかはそれぞれ違います。
けれども治るという前提で前向きに取り組んでいく心の持ち方も症状に大きく影響します。もっとも大切なことは、無理をしないこと、全てにおいて無理をしないことが大切です。
まとめ
肩こりを治すために大切なこと
肩こりの症状と原因
緩和させることと治ること
肩こりにならない生活