肩こり も辛いけれど何だか肩周りに 熱 もあるような、また反対に熱が出たとたん肩こりもし始めた、という方はいらっしゃいませんか。肩こりの原因は姿勢の悪さや運動不足とは限りません。今回は、肩こりと発熱の関係について理解を深め、予防に役立てましょう。
熱を伴う肩こりの原因
風邪による症状
風邪を引いて熱が上がると、からだの関節の節々が痛くなったり、筋肉痛になることがあります。これは急激な産熱=体温を上げるために全身の筋肉を使うからです。このはたらきの副作用として肩こりや腰痛を発症したり症状が悪化したりします。
風邪のウイルスを退治するために発熱は必要不可欠なものです。通常は、異常体温レベルまで体温を上昇させてウイルスを撃退する目的を達成すると、仕上げにセットポイント(身体の理想的な温度=平熱)に戻して熱を放出します。
けれどもときどき、熱が下がってもからだが痛いままで肩こりも一向に改善されないということがあります。風邪によってからだの機能が低下し、セットポイントが上手くいかなかった場合です。
これは捨てきれていない熱が体内に停滞している状態です。試しに首の後ろを手で触ってみてください。首から肩にかけて熱感がありませんか。この状態の肩こり、首こりは温めてはいけません。冷やすのがいちばんです。氷袋や氷枕、冷却シートなどで冷やしましょう。
冷たいものが飲みたくなるかもしれませんが、内臓が冷えると血流が悪くなり肩こりが悪化しかねません。常温または温かいものを口にするのが後々のためです。
それでも改善しない場合は、長引かせると回復も遅れて慢性的な肩こり持ちになってしまう恐れがありますので、早めに病院へ行きましょう。
急にからだを動かした場合
日頃運動不足だった方が久しぶりにテニスやゴルフを始めて肩を痛めたなどの肩こりの場合、患部が熱を持っていたり赤くなったりすることがあります。熱を持つ急性の痛みは、まず冷やして炎症を抑え、炎症が治まってからマッサージを行うと早い回復が期待できます。
マッサージは、腕→背中→肩の順に先端部から肩に向けて血液を心臓に返してあげるようなつもりでゆっくりと揉んだり叩いたりしてください。どちらか一つでも両方でもよく、30分ほど行えば血の巡りがだいぶ良くなり、効果を期待できます。
また、全身のバランスを調整することも回復を助けます。目を閉じてゆっくり10回ほど腹式呼吸をしてみましょう。自律神経のバランスを整え、交感神経や副交感神経のはたらきを高めます。このはたらきによって筋肉の緊張、弛緩の歪みを改善し、全身のバランスを整えます。
それでも痛みが尾を引いてなかなか熟睡できないという場合には、高反発枕を試してみても良いかもしれません。枕の役割はけい椎を支えることですが、けい椎の調整で肩こりと熱が取れることがあります。
髄膜炎の可能性
肩こりに加えて熱があり後頭部に頭痛、首が回らないほどこっている場合は、髄膜炎の疑いが出てきます。髄膜炎とは、脊髄や脳を覆っている髄膜に何らかの原因で細菌やウイルスに感染することで、頭痛、熱を伴って吐き気、めまいなどを引き起こす病気です。
ウイルス性と細菌性の2種類がありますが、ウイルス性がほとんどです。症状が重篤化したり、治療が遅れることで意識障がいのほか、後遺症の恐れもあります。
怖いのは、風邪と勘違いすることです。熱が下がらない、首が硬直しているなどの症状がみられる一方で、咳や鼻水、のどの痛みなどがない場合は、髄膜炎を発症している可能性がありますので意識の確かなうちに早めに病院で診察を受けましょう。
まとめ
熱を伴う肩こりの原因
風邪による症状
急にからだを動かした場合
髄膜炎の可能性