みなさんの中には、肩こりでわざわざ病院へ行くのは何となく気が引けるという方も少なからずいらっしゃるかと思います。けれども、病院には 肩こり 、腰痛、神経痛などを発症した方々がごく普通に通院されています。何ら恥ずかしいことではありません。
最初に 整形外科 で診てもらい、症状によっては他の科を紹介していただけます。
肩こりがつらくなったら、まずは整形外科へ
整形外科での治療法
整形外科の專門分野は「関節運動学」という領域です。
まず、医師の前に座り①問診、②触診による「筋肉」「骨格」の診察を受けた後、③「CT」「MRI」「X線レントゲン」による画像診断をして、④症状の診断、⑤患者さんと通院可能な頻度などを相談しながら、治療法を決定します。⑥治療の実施、変更など、といった流れになります。
主な治療法の1位は、保存療法です。患部周辺の筋肉を温めて筋肉のコリをほぐし、圧迫されていた血管を開放します。開放拡張された血管は、今までよりも豊富な酸素と栄養を運び、筋肉がそのエネルギーによって回復してゆくのです。
保存療法には、①「温熱治療」というホットパックや蒸しタオルなどを使って、患部を温める方法と、②「電気治療」というレーザーや遠赤外線などを使って、患部を内側から温める方法があります。
前者は、ご自宅でも気軽に取り組めそうですよね。それぞれ向き不向き、特徴がありますので、患者さんの体質、症状の状態、筋肉や骨格のコンディションに合わせてその都度選択しながら進めていきます。
その他のよく行われる治療法
牽引療法
骨格の歪みによる疾患をお持ちの患者さん向けです。牽引専用のベッドに身体を固定し、一定の加重をかけることで牽引作業を行います。したがって、ある程度以上の体力のある方に適しています。
主たる目的は「腰椎・胸椎」の牽引と、「けい椎」の牽引です。これによって狭くなった脊椎の間隔を広げようという治療法です。
牽引には、水平牽引型と垂直牽引型(自重型牽引)がありますが現在の日本では水平牽引が一般的に普及しています。もし、垂直牽引を勧める医師に出会ったらセカンドオピニオンの意見を求めたほうが良いでしょう。
ブロック注射
いわゆる神経ブロック注射のことです。「即効性」という意味では最強ナンバー1の治療法と言えます。現在は整形外科ではなく、主にベインクリニックの治療法として普及しています。
注射で何を「ブロック」するのかというと、「自律神経」と「感覚神経」です。局所麻酔で「ブロック」し、神経伝達を意図的に阻害させます。そうすると、「痛み」に関する生体電流が滞り、痛みを感じられなくなる=肩こりが楽になるという仕組みです。
しかし、楽になった=治ったわけではありません。これはあくまで一時的な鎮痛治療です。麻痺させることで不感となっているだけの状態です。「痛みの根幹」はそのままで解決していません。
身体のほうは変わらず痛みの信号を出し続けているのに、治ったと勘違いして元の猫背じっと生活に戻ったり、身体に負担となる行為をしてはなりません。
こうなると十中八九再発します。再発というより悪化してつらくなるでしょう。同じ注射の効果も前回以上は期待できなくなります。
根本的な改善には自助努力が不可欠
病気によるサインとしての肩こりで無ければ、いくら病院でさまざまな治療を施してもふだんの長い日常生活を見直さないことには、肩こりは治りません。姿勢を良くしたり、ラジオ体操やストレッチをして筋力の強化に努めたり、ご自身でできる限りのことは習慣にするべきです。
良質な筋肉をつくるためには、良質な栄養を摂取する必要もあります。日頃の習慣で居着いた肩こりは、その習慣を改めなければ治ることはないのです。
まとめ
肩こりがつらくなったら、まずは整形外科へ
整形外科での治療法
その他のよく行われる治療法
根本的な改善には自助努力が不可欠