肩こりがいつもよりつらいかと思ったら歯痛も始まり、また反対に歯が痛み出したと思ったら肩こりが気になってきた、という経験はありませんか。その 肩こり と 歯痛 は別々の原因によるものではなく、密接に関係しているのです。
肩こりと歯痛の関係と対処法
歯痛が引き起こす肩こり
例えば、右側の歯に虫歯ができました。すると何となく左側の歯を使ってご飯やおやつを食べるようになります。片方だけ使い続けると顎に負担がかかり、左側の肩こりの原因となります。
では虫歯の治療をすればすぐに治るのかというと、そうでもないのです。右側の歯の治療の最中は、やはり左側の歯で噛むようになります。
筋肉のバランスが崩れて左肩が痛くなるのはお察しの通りです。歯の治療が完了して、口内環境が整って落ち着きを取り戻すまでは肩こりの解消はむずかしいでしょう。
ほかに、噛み合わせが悪いというのも原因になります。顎の歪みによって歯列が歪み出し、肩こりが起こるのです。これが重症化して顎関節症になると口を開けなくなり、肩こりも悪化します。
また、奥歯や親不知の炎症が歯痛を招き、周囲の筋肉が緊張して肩こりになることもあります。
歯痛が原因の肩こりは、歯の治療をすればほとんど治まります。歯痛を我慢してストレスから肩こりが悪化、その上寝不足に悩まされるのは避けたいものです。歯医者さんが好きという方は少ないかもしれませんが、早めに受診することが結果的にいちばん楽なのです。
肩こりが引き起こす歯痛
姿勢が悪いのは万病の元といいますが、歯痛も例外ではありません。虫歯などの直接の原因が歯に無いケースの歯痛を「非原性歯痛」と呼びます。肩こりが原因のケースが典型的なものです。
姿勢の悪い方によくみられる猫背は、背骨の位置よりも首が前に出てしまっていることが多いようです。この姿勢は頭を支える首にとってはつらいものです。首は前へ傾むいた頭蓋骨を後ろへ引っ張ろうと一日中緊張した状態になります。
周囲の血流を低下させ、リンパの流れも悪くなります。これだけでも全身が疲れそうですが、なかでも比較的引っ張られやすい下顎だけが奥へ奥へと引っ張られ、顎の噛み合わせにズレが生じてきます。その結果が奥歯の痛みとなって現れるのです。
姿勢に気をつけても、パソコンを使った長時間のデスクワークなどにより肩や首周りの筋肉が疲労した状態が続くと筋肉の中にしこりができます。そのしこりが刺激されると、交錯した神経が歯の痛みだと勘違いし、歯痛が起こります。
肩こりが原因であれば、姿勢を正してストレッチを行うことで改善が可能です。ただし、毎日続けること、そして日頃から良い姿勢を心がけることが大切です。それでも治らないようでしたら、整体院や鍼灸院などで診てもらってもよいでしょう。
整形外科と歯科
肩こりも歯痛も放っておくと日常生活に支障をきたします。整形外科と歯科のどちらかを受診すればよいとは限りません。
最初に歯医者さんを受診しても「異常なし」と診断されることはよくあることです。そこで「整形外科へ行ってみては」と助言してくださる歯医者さんは少ないでしょう。念のため、両方を受診することをお勧めします。
病院を避け、まずは整体院や鍼灸院へ足を運び様子をみてみようとお考えになる方もいらっしゃることでしょう。けれども原因が肩こりではなく歯痛であった場合、マッサージや鍼灸の施術を受けると歯痛が悪化してしまいます。
整体院や鍼灸院の先生は専門家ではありますが、医師ではありません。整形外科や歯科を受診して、状態を明確にした上で医師に整体や鍼灸を受けてもよいか確認してみましょう。
まとめ
肩こりと歯痛の関係と対処法
歯痛が引き起こす肩こり
肩こりが引き起こす歯痛
整形外科と歯科