友人や家族、ご自分の肩こりに関して、叩いたり揉んだりあれこれやりながらも効果なく、もどかしい想いに駆られることが多々あります。ツボを心得ていたら、そんな思いもせずに済んだのにと地団駄を踏まないように、 肩こり に効果のある ツボ と指圧の注意点についてご案内します。
肩こりに効くツボを押さえる
ツボについて
ツボとは、東洋医学における「気」の集合点とでもいうべき、神経や血管が集まっている場所を指します。
その場所というのは図示されることが多いのですが、個人差があります。無意識に叩いたり押したりした場所が、気持ちの好い効果を得られたとしたら、そこがツボになります。
また押したときに痛みを感じる場所、あるいは少しくぼんだ場所、そこがツボです。そしてそれぞれのツボは、それぞれに担当部位が異なり、役割も違います。
役割に応じたツボを適度に刺激することによって、「気」の循環を良くし、新陳代謝を高め、身体の調子を整えることが出来ます。
指圧の注意点
ツボを押すということは循環を良くするということです。熱があるとき、飲酒後や、入浴中、浴後などはいっそう血行が促進されて危険ですので、そういう状況のときは見送りましょう。
また指圧箇所に炎症や傷がある場合、妊娠中などは避けましょう。
効果的な指圧
指圧は基本的には親指の腹の部分で行います。リラックスした状態で、ゆっくりと息を吐きながら押し、息を吸いながら指を離していきます。
親指の腹を通して、押される傷みを注意深く意識しながら、体重をかけるような感じで押し込んで行くことが大切です。一回につき5~6秒、一ヶ所につき5~10回ほど繰り返します。
ツボは、背骨のラインに沿ったツボを除いては、必ず左右対称に位置します。相対とする左右のツボを同じように指圧することでより良い効果が得られます。
同じツボばかりを押したり、強く押しすぎたりすると、筋肉が炎症を起こして、逆効果となってしまいます。注意が必要となります。
肩こりに効く代表的なツボ
肩こりに効果のある代表的なツボが三つあります。
先ず頭の頂点にある頭蓋骨の継ぎ目となるへこみ、ここは百会(ひゃくえ)というツボになります。精神的なストレスや眼精疲労による肩こりに効果があると言われています。
百会と書くくらいですから、百の神経が通っていると言っても差し支えないくらい万能のツボです。繊細な場所ですのでくれぐれも強く押しすぎないように、ゆっくりと時間をかけて指圧することが大切です。
後頭部の髪の生え際付近、首の骨の両側に天注(てんちゅう)というツボがあります。百会と同じように、精神的なストレスや眼精疲労、自律神経に係わる疾患に対しては絶大な効果を発揮します。
寝不足のときなど軽く揉んだだけでも頭がシャキッとすることがあります。効果を感じ取りやすいツボと言えるでしょう。
両肩の骨の中央部分、乳首から真っ直ぐ上に上がった延長線上にちょうど指の入るようなくぼみがあります。肩井(けんせい)と呼ばれるツボです。ここを刺激すると肩全般の筋肉がほぐれていくのが実感できます。
その他のツボ
手には合谷(ごうこく)というツボがあります。手の甲側で、人差し指と親指の付け根、骨の接する部分に位置します。肩こりの他に頭痛、歯痛、眼精疲労にも効果があります。
手三里(てさんり)というツボは、肘を曲げた状態で出来る内側のしわから指二本分手首側の位置にあります。
外関(がいかん)は手首を反らしたときに出来るしわから指三本分、ひじへ向かった場所にあります。肩こりや神経痛のほか、何となく体がだるいといった症状にも効果があります。
背中側、肩甲骨の上部から背骨に近い場所には胚兪(はいゆ)というツボがあります。天宗(てんそう)というツボは肩甲骨のほぼ中央、少し腕寄りに位置します。
いずれも手の届きにくい場所にあるので、ドライヤーや蒸しタオルなどを使って温めることによっても効果が得られますが、あえて、親しい方やご家族の方に押したり叩いたりを頼んでみることをお勧めします。
そのコミュニケーションが、より良い人間関係のツボを押さえることになるかもしれません。
まとめ
肩こりに効くツボを押さえる
ツボについて
指圧の注意点
効果的な指圧
肩こりに効く代表的なツボ
その他のツボ