今日は 肩こり からくる 頭痛 についてお話したいと思います。たかが肩こりと言っても、慢性的な肩こりから来る頭痛を抱えている方は意外と多く、肩こりをきちんと治すことで長年悩まされた頭痛がよくなるということもあります。
いつも肩こりに悩まされており、時々頭痛がするという方には是非参考にしていただきたいと思います。
肩こりからくる頭痛の対処法
肩こりは国民病
平成22年国民生活基礎調査(厚生労働省)によると、日本人が訴える自覚症状(有訴)で、
「肩こり」は男性の第2位(第1位は腰痛)、女性の第1位となっており、全国では約1200万人もの方々が肩こりに悩まされているという報告がありました。肩こりはまさに国民病と言ってもいいでしょう。
同じ姿勢を続けると肩こりになりやすい
肩こりは首筋から肩、左右肩甲骨の間や背中などの筋肉に、締め付けられるような、こわばった感じや重たい感じ、時には筋肉が硬く凝り固まり痛みを感じたりする状態(症候)を総称したものです。肩こりの起きる仕組みは未だ完全にはわかっていませんが、同じ姿勢を続けるなどして筋肉が持続的に緊張することで筋肉が硬くなり血行が悪くなり(循環障害)、筋肉への栄養や酸素が届きにくくなったり、筋肉からの老廃物が除去されずに蓄積するために肩こりの症状を起こすと考えられています。
肩こりからくる頭痛:緊張性頭痛
肩や首筋の筋肉は、後頭部まで連続しており、肩こりの影響が頭部にまで及ぶことがあります。肩こりの悪化とともに頭痛を感じることがあるのはそのためで、このような頭痛を「緊張性頭痛」と言います。緊張性頭痛は、頭痛の原因の約70%を占めており、最も多いタイプの頭痛と言えます。当然のことですが、肩こりが良くなれば頭痛もよくなるので、肩こりの解消が治療の目標となります。
緊張性頭痛の特徴とは
頭痛の原因はさまざまで、自分の頭痛が肩こりから来る緊張性頭痛であるかどうかをきちんと知っておく必要があります。肩こりから来る緊張性頭痛には、次のような特徴があります。
「緊張型頭痛の特徴」として国際頭痛分類という診断基準がありますので、以下にご紹介します(一部の表現を判り易く改変してあります)
A. 頻度:3カ月以上、平均すると1カ月に最低1日以上の頭痛を感じ15日を超えないこと。加えて、以下のB~D に当てはまること
B. 頭痛の持続時間:30 分~7 日間
C. 頭痛の特徴:1~4の2 項目を満たすこと
1. 頭の両側が痛いこと
2. 圧迫されたり、締め付けられるように痛いこと(心臓の「どきんどきん」という拍動とは関係なく痛い)
3. 強さは軽度(軽い痛み)~中等度(集中できない程度の痛み)であること
4. 歩行や階段の昇降のような日常的な動作によって悪化しないこと
D. 以下の両方に当てはまること
1. 吐き気を感じたり、実際に嘔吐しないこと(食欲がないと感じることはある)
2. 光過敏(光を見ると痛みが強くなったりする)や音過敏(光や音に過剰に反応したり、痛みが変化する)はあっても、どちらか一方だけのこと
E. その他の頭痛の原因を持たないこと
もともと肩こりがあって、ときどき頭痛がするという場合、これらの特徴を満たしていると肩こりからくる緊張性頭痛である可能性が高いと考えられます。しかし、肩こりがあっても、これらの特徴から外れる頭痛の場合は、別の原因による頭痛の可能性がありますので、病院でお医者さまとご相談ください。また、特徴が一致しても、なんとなく不安だなと感じたり、症状が強い場合などもお医者様にご相談ください。
肩こり予防の生活習慣で頭痛から解放されよう
肩こりから来る頭痛と判ったら、原因である肩こりを直すことが基本です。肩こりの場合は日々の生活習慣を改善し、予防することが大切です。下記に日本整形外科学会が推奨する肩こり予防法をご紹介します。
① 机に座っているときなど、じっと同じ姿勢を長時間にわたり続けない。
② ゆったり入浴するなど肩を温め筋肉の血行を盛んにする。
③ よく歩いたり、肩を回すなどの運動を一日に数回は行う。
④ 毎日入浴し、全身を温めリラックスし、筋肉を柔らかく保つこと。
この他にマッサージや薬物治療もありますが、これらは専門医の指導を受けながら行うことが大切です。
なお、市販の頭痛薬が緊張性頭痛には有効なことがありますが、同じ薬を長期にわたり常用していると副作用などの発現する場合があります。お心当たりのある方は、一度お医者さまに相談されることをお勧めします。
まとめ
肩こりからくる頭痛の対処法
肩こりは国民病
同じ姿勢を続けると肩こりになりやすい
肩こりからくる頭痛:緊張性頭痛
緊張性頭痛の特徴とは
肩こり予防の生活習慣で頭痛から解放されよう