脊椎症性脊髄症 とは、骨棘や椎体のズレなどによって脊髄が圧迫されることによって発症します。主な原因としては加齢によって骨棘の形成や椎体のズレがおきることです。では、この傷害は高齢者にのみおきるのでしょうか?
頚椎症性脊髄症は高齢者に発症しやすい!?
頚椎症性脊髄症とは?
年齢を重ねていくごとに、頸椎、胸椎、腰椎、仙骨、尾骨からなる脊柱は変形してしまいます。このなかでも特に首にあたる頸椎が変形することを“変形性頚椎症”といいます。また、この変形によって脊髄が圧迫されてしまうことを頸椎性脊髄症というのです。
頚椎症性脊髄症の症状は?
頚椎症性脊髄症になってしまうと、脊髄が圧迫されることによる神経症状があらわれます。感覚神経や運動神経、自律神経などさまざまな神経に症状があらわれてきます。感覚神経に障害が出た場合には、手足にしびれや痛みを感じます。
また、運動神経に障害がおきてしまうと、手を細かく動かすことができなくなってしまう、つまづきやすくなることがあります。
最後に、自律神経の障害がみられると膀胱直腸傷害がおきます。
よく、頚部(首)周辺に痛みに痛みを感じる場合にこの傷害を疑われる方もいらっしゃいますが、主な症状は神経症状で、自覚症状が首周辺に痛みがあるのみといった場合には頚椎症性脊髄症とは断定できないといわれています。
また、症状の進行としてはゆっくりと進んでいく場合が多いといわれているので、症状の進行具合にも着目してみることをおすすめします。
脊椎症性脊髄症の原因は?
脊椎症脊髄症の原因としては、先ほども述べたように加齢が大きく関わってきます。
具体的な理由としては、加齢にともなって、椎体や椎間板が変形してしまい、頸椎に骨棘ができてしまいます。この骨棘が脊髄を圧迫してしまうことによって脊椎症性脊髄症へと発展してしまうのです。
このほかにも、頸椎や椎間板が変形してしまうことによって頸椎が不安定になってしまう場合などにも脊椎性脊髄症を発症してしまうのです。
また、生まれつき脊柱管が狭い場合にも症状があらわれるといわれています。身体の構造としては脊柱管の中を脊髄が通る形になっているため、脊柱管が狭いと脊髄を圧迫しやすい状況にあります。
この場合は加齢が原因とは限らないので、若い方でも脊椎性脊髄症を発症する場合があります。
脊椎症性脊髄症の診断方法
脊椎症性脊髄症の診断方法としては、病院へいきレントゲンやMRIを撮影することで確定診断がなされます。
レントゲンの場合にはそのままの状態でははっきりとした原因はみつからないため、首をそらした状態で撮影します。この撮影方法をとることによって椎間板や椎体にずれがあるかどうかを見極めることができます。
MRIの撮影では、脊髄の圧迫をみつけることができます。しかし、この際に注意が必要なのは、自覚症状があるかどうかです。自覚症状が全くない場合に脊髄の圧迫がみられても特に治療は必要ない場合が多いといわれています。
そのため、受診の際に最初の問診でしっかりと自覚症状がある場合には細かく伝えることが大切になります。
脊椎症性脊髄症の治療法は?
脊椎症性脊髄症には主な予防方法はないといわれています。加齢による身体の変化を止めることは難しいためです。脊椎症性脊髄症を発症してしまった場合、治療方法としては、まずは保存療法をおこなう場合が多いといわれています。
保存療法でおこなう治療として主なものは頸椎カラーによる患部の固定です。しばらく正しい位置で首を固定することによって症状が軽快する場合も多くあります。そのほかには、しびれや痛みを緩和させるための投薬治療などがあります。
また、症状を発症してしまった場合には身の回りの環境を整えることが大切です。運動神経に症状があらわれてしまった場合に近くのものにつまづきやすくなってしまい、大きな怪我につながってしまうためです。
さらに、首を反らすといったような動作はおこなうと症状を悪化させてしまうため、注意が必要になります。
まとめ
頚椎症性脊髄症は高齢者に発症しやすい!?
頚椎症性脊髄症とは?
頚椎症性脊髄症の症状は?
脊椎症性脊髄症の原因は?
脊椎症性脊髄症の診断方法
脊椎症性脊髄症の治療法は?