首や肩にしびれや痛みを感じても、これは 頸椎症性神経根症 に違いないなどと見当をつける方はまずいらっしゃらないことでしょう。ずっと座りっ放しのデスクワークをしていればからだの節々に不調をきたすのは自然なこととも言えますし、みんな我慢していることなのだと割り切るべき、病院へ行くなんて大げさだと考えるかもしれません。
しかし、同じ仕事をしていても体調の良し悪しには個人差があります。「この痛みはちょっと違うかも」と思ったら、ひとまず病院へ向かいましょう。
首がしびれる…頸椎症性神経根症って?
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根を詰めると発症する?
頸椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)とは、脊髄から分岐して上肢へつながっていく神経根が圧迫されている状態をいいます。首や肩のほか、腕にもしびれや痛みが出ます。進行すると手足のしびれが頻繁に起こり、また手足の感覚が弱まったと感じます。
物を持つときに落としてしまったり歩行時に足の裏に力が入らないなど、体調が悪いでは済まされなくなります。同じ体勢で作業を続けるような仕事に就くと、発症しやすくなるようです。ちなみによく耳にする「頸椎症」は、頸椎の椎間板が傷んで骨が変形してしまった状態です。
原因は加齢?
人間も動物ですから、適度にからだを動かす生活がいちばん負担が少ないのは変えようがありません。長時間首を反らしてパソコンを見る生活を続けていれば、年々辛くなってくることからは逃れられないことでしょう。加齢によって神経根が圧迫されやすくなるのもまた事実です。
同じ不規則な生活をしていても若者と中高年では疲労感が全く異なるのと同様です。ですから、まだパワフルな年齢のうちからの日々の習慣が数年後、数十年後の命運をわけるのです。首を反らしたり、からだを斜め気味にしてデスクワークをするのは確かに楽です。
しかし、毎日のこととなるとその姿勢が定着してしまい頸椎のみならず骨盤や背骨などほかの部位も徐々に歪んでいきます。その不自然さを補える腹筋や背筋があるうちはからだも何とか耐え忍ぶことができますが、限界がある日突然訪れます。
筋トレ経験のある方はおわかりかと思われますが、筋肉は鍛えないとあっという間に落ちます。反対に筋肉をつけて維持するには毎日あるいは1、2日おきくらいのトレーニングを続けなくてはなりません。わざわざ筋トレをする時間はないという方は、せめて良い姿勢を心がけましょう。
治療は気長に
症状が軽ければ、自然に治ることもあります。健康のためにウォーキングを始めたら肩こりや腰痛が治ったというようなケースと同じようなレベルです。治療も保存療法が中心です。だいたい3ヶ月ほどで治癒します。痛みが強い場合はステロイドホルモンを服用します。
痛みというものは、軽いものからとても耐えられないものまでさまざまありますが、気の持ち用も大きく関係しています。同じくらいの痛みでも、楽しいときとそうでもないときでは感じ方に差が出てきます。こんな病気になってしまってもう…などと投げやりになるのは症状悪化の元です。
不自由さも楽しみのうち、と前向きになるのはむずかしいと思いますがハッピーな心持ちで日々を過ごしましょう。
自律神経や血圧も安定して頸椎にも良い影響を及ぼします。痛みがどの程度辛いのかは本人にしかわかりませんから、従順に保存療法を黙々と続けるのではなく、場合によっては手術も必要になります。最も適切な時期に手術を受けられるよう、医師とは日頃からよく話をするようにしましょう。
痛みで仕事や日常生活に支障をきたしていたり、筋力の低下が著しい場合にはいかに困っているかを医師に訴えましょう。手術は専門医のいる大学病院などを紹介してもらったほうが確実です。
まとめ
首がしびれる…頸椎症性神経根症って?
根を詰めていると発症する?
原因は加齢?
治療は気長に