これは 腱鞘炎 かもしれない、と思ってもなかなかすぐに 病院 へ行こうという方は少ないのではないでしょうか。まだ大丈夫、サポーターを買ってきてしばらく見守ろうというのは、どちらかというとあまり賢明な判断ではありません。
腱鞘炎は単なる炎症ではなく、一生を左右する深刻な病状です。
腱鞘炎になったら病院へ行くべき?タイミングは?
動かせるうちに診察してもらう
病院へ行くのは早ければ早いほど良いです。そもそもご自身では腱鞘炎だと思っていても、実際は別の病気の可能性もあります。診察しないとそれははっきりしないのですから、時間をつくって病院へ行きましょう。
病院よりもまず整体院へ行こうと考える方もいらっしゃるようですが、整体院は医療機関ではありませんしお勧めはできません。長く通っている整体の先生の施術によって腱鞘炎が治れば良いですが、ますます悪化することも想定されます。
病院は嫌いと敬遠せずに割り切って一度足を運びましょう。病院のほうが健康保険で安く診察してもらえますし、治療の選択肢も広がります。痛み止めや手術は整体院ではできません。また社会的信用も病院が上です。
医師の診断書によって仕事や家事、地域の行事などを休んだりセーブしやすくなります。もちろん白い目でみられることもあるでしょうが、早く治したほうがいつまでも調子が悪いよりご自身と周囲のためになります。
良い医師に巡り合うには
病院は「整形外科」を訪ねてください。あるいは「手の専門外科」が近隣にあればそちらのほうが良いでしょう。腱鞘炎は主に手の使いすぎによる筋肉の麻痺が重症化したものです。
手は内臓と比べても複雑な構造をしていますし、治療のやり直しもむずかしいので医師の説明や質問に対する答えをよく吟味する必要があります。
整形外科の専門領域は幅広く、腱鞘炎について詳しくない医師も珍しくありません。レントゲンを撮影しても腱鞘炎とはっきりわかりにくいことも多く、腱鞘炎を軽い火傷か突き指と同じくらいに考えている医師もなかには存在します。
ですから10往復未満の問診のあと「湿布を出しておきます」、「しばらく安静にしてください」などという医師に出会ってしまった場合は、ほかの整形外科へ行くことをお勧めします。費用はかかってしまいますが、勉強代と思って気に病み過ぎないようにしましょう。
病院へはそれまでに腱鞘炎のために使用していた湿布やサポーターなどがあれば持参して、医師には症状をできる限り詳しく伝えましょう。
腱鞘炎についてある程度知識のある医師であれば、きちんと耳を傾けてくださるはずです。朝一番はこんな感じで、何をしているとこの部分が痛むなどメモを用意してから行くのも良いでしょう。
どんな治療もリスクはある
この病院で治療を受けてみようと決めたら、通常はまず「保存的療法」を施されます。症状の程度によってはレーザー治療や電気治療を勧められることもあります。効果があるかどうかはわかりません。
肩こりやリウマチの保存的療法と同様に眉唾もののリハビリのようなところが患者さんを時折不安にさせます。簡単に治るものではないと治療方針の見直しもせずに1、2週間が経ったが痛みやつらさが全く変わらないのであれば、病院を変えたほうが良いでしょう。
「ステロイド注射」は副作用があるため勧めない医師もいます。効果は始めは長く効きますが徐々に短くなっていきます。副作用で寝込んでは意味がありません。
最終手段として「腱鞘切開手術」があります。手術自体は容易なものなのですが、経験豊富な医師でないと失敗のリスクは高まります。細やかな感覚神経を傷つけたりほんの少し接触したりするだけでも後遺症が発生します。抜糸は7~10日後くらいです。
手術後も症状が全く改善していなかったり痛みが再発するケースも多くみられます。それだけでは済まず、RSD(反射性交感神経性萎縮症)という難病を発病することもあります。何はさておき早めに病院へ行くに越したことはありません。
まとめ
腱鞘炎になったら病院へ行くべき?タイミングは?
動かせるうちに診察してもらう
良い医師に巡り合うには
どんな治療もリスクはある