「緊張性頭痛」って聞いたことがありますか?
緊張性頭痛は日本人の頭痛の約70%を占めるもっとも多いタイプの頭痛なんです。そして、日本人の約30%の人が一年に一回は緊張性頭痛を感じていると言われていますから、ひょっとしたら皆様も悩まされているかもしれませんね。
今日は筋緊張性頭痛についてお話したいと思います。
最も多い緊張性頭痛ってなに?
- 目次 -
緊張性頭痛は肩こりが原因で起きるのだ
筋緊張性頭痛の主な原因は肩こりから生じることがほとんどです。その発生の正確な原因は不明の点が多いのですが、肩こりによって生じた首筋から肩周囲、肩甲骨周囲、背中の筋肉の圧痛が、頭部周囲筋に及ぶために起きると言われています。肩こりの痛みの程度と頭痛の程度は相関することが知られています。
筋緊張性頭痛の症状や特徴
症状は頭の両側が締め付けられるような、帯状の不快感を特徴とする慢性の頭痛であり、患者は頭部や後頭部をまるで万力で締め付けられるようだと訴えることがあります。痛みは緩やかに進行し、程度は時々で変化し、数日にわたって持続することが多く、運動によって悪くなることはありません。
筋緊張性頭痛はすべての年齢層で発症しますが、男性よりも女性に多い傾向があります。不安やうつと言った心的原因で発症することもあります。多くの場合は良性ですが、一部に慢性型頭痛に移行する例もあります。
筋緊張性頭痛の診断:あなたの頭痛を調べてみましょう
緊張性頭痛は、良性の(放っておいても命にかかわらない)頭痛です。また多くの場合肩こりをともなっています。適切な治療をするためには、まずは正確に診断することが大切ですので、あなたの頭痛が緊張性頭痛かどうか下記の診断基準(国際頭痛分類第2版を判り易く改変してあります)に照らし合わせて診断してみてください。
緊張型頭痛の特徴は以下の通りです。(国際頭痛分類第2版を判り易く改変)
◯頻度
3 ヵ月3カ月以上にわたり、平均して1カ月に最低1 ヵ月に1 日以上は頭痛を感じる日があり、15日を超えない未満の頻度すること。そして加えて、以下のB~D を満たすことにあてはまること。
◯頭痛の持続時間
30分~7 日間持続するのこと。
◯頭痛の性質
以下の特徴のうち、の少なくとも2項目満たすはあてはまること
・ 両側性に(頭の両側にが痛い)痛みを感じること。
・ 頭痛の性質性状は圧迫されるような感じ、または締め付け感られるような感じであること(心臓の「どきんどきん」という拍動とは関係なく痛く感じるい)。
・ 頭痛の強さは軽度(軽い痛み)~中等度(集中できないくらいの痛み)であること。
・ 歩行や階段の昇降歩いたり階段の上り下りのような日常的な動作普段の活動により増悪しない悪くならない。
以下の両方にあてはまることを満たす。
・ 悪心や嘔吐吐き気を催したりや実際に嘔吐することはない(食欲不振をがなくなることは伴うことはある)。
・ 光過敏(光をみると悪化するなど)や音過敏(音の変化で悪化するなど)はあっても、どちらか一方のみ片方だけ。
その他の疾患によらない。
この基準に明確に当てはまらない場合や偏頭痛を合併している場合などは、診断が難しくなりますので、お医者様にご相談ください。
緊張性頭痛の治療:硬くなった筋肉をほぐしましょう
ここまで緊張性頭痛の特徴や診断について述べてきました。緊張性頭痛は命にかかわる頭痛ではないとわかっていても、頭が痛いと生活の質を下げてしまいます。ここでは治療法について説明します。
比較的軽い場合は、お薬は使わず凝り固まった筋肉の緊張緩和(リラクゼーション)をすることで痛みは和らぎます。積極的に肩こり体操を行ったり、マッサージによって筋肉の血行循環を良くすることで症状を軽くすることが可能です。
肩こりが原因の場合は、長時間同じ姿勢をとらない、姿勢を正す、精神的なストレスを減らす、パソコンやスマートフォンなどの使用を減らすなどの生活習慣の是正も有効です。
お薬を使うときには、まずはお医者様に相談しましょう
一方、リラクゼーションだけでは効果がない場合や頭痛が強くすぐに治したい場合には、お薬による治療を併用する場合があります。多くの場合、NSAID(エヌセイド、非ステロイド性抗炎症薬)が使われます。
NSAIDにはアスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェンなどがありますが、効き方や副作用の発現には個人差がありますので、一度お医者様にご相談されることをお勧めします。
また、これらのお薬は薬局で購入することも可能ですが、頭痛が慢性化している場合、長期的に服用し続けると身体への影響が出てくることがあり、重篤な副作用の原因となる場合があります。
いくら効くからといっても長期間市販薬に頼ることは危険を伴う場合がありますので、緊張性頭痛のために市販薬を常用することはお勧めできません。この場合もお医者様にご相談いただきたいと思います。
まとめ
最も多い緊張性頭痛ってなに?
緊張性頭痛は肩こりが原因で起きるのだ
筋緊張性頭痛の症状や特徴
筋緊張性頭痛の診断:あなたの頭痛を調べてみましょう
緊張性頭痛の治療:硬くなった筋肉をほぐしましょう
お薬を使うときには、まずはお医者様に相談しましょう