皆さんは足腰が痛むと、まず筋肉痛や腰痛になったとお考えになるのではないでしょうか。筋肉痛は放っておいても寝て起きたら治ってしまうことがほとんどですが、 筋膜炎 は処置を誤るとクセがついてしまい、スポーツなどをされている方は故障の原因にもなります。
思い当たることがありましたら、思いきって休養し筋膜炎かどうかチェックしてみましょう。
甘く見てはいけない筋膜炎
腰部筋筋膜炎
そもそも「筋膜」とはどのようなものなのでしょうか。筋膜は、「筋肉を包む膜」のことを指します。日常の動作や運動によってこの筋膜が疲労して起こるのが筋膜炎です。
腰の痛みや腰の筋肉のこわばりを感じます。大抵は数日間ゆっくりしていれば治るのですが、この「数日ゆっくり」というのがむずかしい方が多くいらっしゃるようです。
健康のためにジョギングやウォーキングを日課にされていたり、長く続けているスポーツの練習を毎日していると「休むと落ち着かない」、「何となく罪悪感がある」とついついご自分に厳しく休まない、休むことができない依存性気味の方々は、危険です。
また、運動不足も筋膜炎の原因になり得ます。筋肉や筋膜を酷使せず、かと言って甘やかしすぎずさじ加減の見極めが必要です。
立ち仕事、例えば美容師さんや運送屋さんなどは同じ動作の繰り返しを変えるわけにはいきませんし、デスクワークも集中しているときに1時間に1回席を立ってストレッチを、というのは本当に席が失くなってしまいかねません。
少しでも症状を緩和するためには、ご自宅での努力が肝要です。できるかぎり、お風呂にゆっくり入ってマッサージをしましょう。お風呂で寝てしまいそうなほどお疲れのときまで、頑張ってマッサージをする必要はありません。カイロや湿布で温めるのも効果があります。
ラジオ体操の前屈と上体反らしをゆっくり10回ほど行ったり、エアフラフープのイメージで腰を順番に時計回り反時計回りにゆっくり回してみるのもお勧めです。
足底筋膜炎
足の裏が痛いのは靴が合っていないことだけが原因ではありません。足の裏の筋肉が弱っていて硬直している状態が考えられます。
症状は、①以前よりも立ちっ放しがつらくなった、②足の裏がしびれる、③動くときの始めの一歩が痛く、電気が走るような感じがする、④足の裏を押すと痛い場所がある、⑤走ったり歩いたりすると足の裏やかかとが痛いなどが挙げられます。
治し方は方々からいろいろなことを助言されるかもしれませんが、足を冷やすのではなく、温めてください。
安静にして必要以上に歩いたりもちろん走ったりしないように過ごし、少し改善したらウォーキングから始めましょう。素足で過ごして足裏を鍛えるのも良いことです。アキレス腱伸ばしの体勢で、体重を前足の足裏にかけるのも鍛えられます。
ふくらはぎ筋膜炎
スポーツ選手にも多くみられる症状です。怪我を繰り返していると、慢性的に痛むようになります。慢性痛になるとその状態がいわば「通常」になるため、「休む」という選択肢自体がなくなる方もいらっしゃいます。「疲れたら練習を休む」という意識が日本人は足りないようです。
子どもの頃から習い事や部活動などで真面目過ぎるほど練習してきた弊害かもしれません。ふくらはぎに、いきなりピクッピリピリッときたら、筋肉が硬くなっている証拠です。
冷静に考えて、筋肉が硬くなったままトレーニングなどを続けて良いことはありません。休んで柔らかい筋肉を取り戻したほうがずっと効率的です。
好きなスポーツを長く続けたいのであれば、1ヶ月くらい休んでも何てことはありません。お風呂でマッサージをしたり普段より朝寝坊をして睡眠をたっぷりとれば、治ります。
それでも治らないときは、病院でステロイド系の消炎剤などを処方してもらうと良いでしょう。
まとめ
甘く見てはいけない筋膜炎
腰部筋筋膜炎
足底筋膜炎
ふくらはぎ筋膜炎