ラグビーやサッカーなどのコンタクトスポーツで起きやすいといわれている コンパートメント症候群 ですが、怪我の対応を間違えてしまうと後遺症を残す、筋肉が壊死するなど恐ろしい結末を迎えてしまうこともあります。
今回は、症状から対処法までを詳しくご紹介していきます。
甘く見てはいけない“コンパートメント症候群”とは?
コンパートメント症候群とは?
コンパートメント症候群は日本語で筋区画症候群といいます。人間の身体の部位(例:ふくらはぎ、太ももなど)はそれぞれ、複数の筋肉からできており、それぞれの筋肉でわけられている部分をコンパートメント(区画)と呼んでいます。
打撲や骨折などが原因でこれらのコンパートメントの内圧が上昇したものをコンパートメント症候群といいます。症状としては、急激な痛みやしびれ、腫れ(内出血を含む)、知覚麻痺、などがあげられます。主に、下肢に多く発生する怪我と言われています。
急性コンパートメント症候群
急性の怪我(打撲や骨折など)が原因で起こることが多いといわれています。怪我をした部位を挙上して安静にしていても腫れや痛みが改善されることがなく、鎮痛薬を服用しても痛みの改善が見られない場合はこの怪我が疑われます。
怪我をした後にその部位の筋肉を伸ばす、痛みを押して運動を続けるなどすると痛みが悪化することがあります。
急性コンパートメント症候群の原因
骨折をする、腕や脚などを押しつぶすような衝撃、筋肉に激しく何かがぶつかる、ギブスや包帯をきつく巻くなどが原因になりやすいと言われています。
突然の衝撃で起こるため、コンタクトスポーツや交通事故など、予期せぬ場合に起こることが多いといわれています。
慢性コンパートメント症候群
水泳やテニス、ランニングなどの同じ動作を繰り返す運動をする際に起きやすい怪我です。40歳以下のアスリートの方に起こりやすい症状と言われていますが、どの年代の方でも起こる可能性はあるといわれています。
また、同じ動作を繰り返す動きでも起こりやすいですが、激しいトレーニングや頻繁にトレーニングを行うことも、慢性コンパートメント症候群を引き起こすリスクを高めます。
慢性コンパートメント症候群の原因
同じ動きを頻繁に繰り返すこともひとつの原因と考えられていますが、もともとの体質にも原因があると考えられています。例えば、筋膜が通常よりも厚いことや、筋肉が大きくなっている、血管の内圧が高いなどがあげられます。
怪我をした際の応急処置
コンパートメント症候群が疑われる場合の応急処置として、まずは捻挫や打撲などの応急処置と同じように、RICE処置(安静、冷却、圧迫、挙上)を行います。
ただし、コンパートメント症候群が疑われる際には圧迫は軽めに行います。患部が下肢である場合は、足先へ知覚麻痺の有無や血行障害が起きていないかを確認するために靴下を脱がせ、裸足で行います。
もし、足先に拍動が感じられず、血行障害が起きてしまっている場合には、直ちに病院へ救急搬送する必要があります。
血行障害が起きていない場合でも、応急処置を行った後にも痛みや腫れがひかない場合がある場合は病院での受診を勧めます。
この怪我の怖いところは、処置が遅れると血行障害が原因で筋肉が壊死する、神経障害などの後遺症が残ってしまう場合もあるといわれています。ですので、コンパートメント症候群の疑いがある場合にはすぐに応急処置を行いながら病院で医師の診断を受けることが大切です。
まとめ
甘く見てはいけない“コンパートメント症候群”とは?
コンパートメント症候群とは
急性コンパートメント症候群
急性コンパートメント症候群の原因
慢性コンパートメント症候群
慢性コンパートメント症候群の原因
怪我をした際の応急処置