骨軟化症という病名に耳覚えのある方は多くはないことでしょう。骨が軟らかくなってもろくなるのをイメージすると、カルシウム不足でなりやすくなるといわれる骨粗鬆症と同じような病気なのでしょうか。
せっかくの機会ですから骨粗鬆症と一緒に 骨軟化症 の予防にも努めましょう。
骨が軟らかくなる?骨軟化症とは
原因は食生活?症状のあらわれ方
骨軟化症とは、骨や軟骨の石灰化障がいによって類骨(るいこつ)という石灰化していない骨器質が増加する病気です。骨の成長がストップした後の成人が発症します。
ちなみに骨の成長前の小児が発症するのを「くる病」といいます。まれに、産まれたときにすでに発症していてひと目で診断できるケースもあります。
原因は、一昔前はビタミンD不足でしたが現在はビタミンD不足は稀少で、ビタミンD抵抗性くる病の成人型(家族性低リン酸血症性骨軟化症)が増えています。塩分や糖分の摂り過ぎで、腎尿細管におけるリンの再吸収障がいが起こっています。
ほかにも、ガン、骨や軟骨の腫瘍などが原因で発症することがあります。したがって骨粗鬆症と同じくらい恐ろしい病気であることに間違いありません。骨が軟らかくなるだけでスカスカになるわけではないと考えるのは楽観すぎます。
主な症状は、まず骨折しやすくなります。また血液中のカルシウムが急激に低下すると、不整脈が起きる危険が高まります。これに伴って、手足のけいれんや口の周り・手足のしびれが発症することもあります。これらはすでに中等度の症状です。
初期の段階で「骨軟化症かな」とはっきりわかるようなケースは少ないのです。足や膝関節、股関節の痛み、腰背部痛、大腿骨・下腿骨・骨盤などの圧痛(押すと痛みが出る)や叩打痛(こうだつう。カナヅチなどで叩くと響くような痛みが出る)は、それほど気にならない方もいらっしゃることでしょう。
そのまま進行すると、歩行障がい(あひる歩行)が出てきます。これは下肢の筋力低下や臀部の筋力低下によるものです。また、腰椎を骨折することによって脊柱が変形することがあります。後弯(こうわん)や側湾(そくわん)などがあわわれます。
治療は投与と日常生活の努力
薬物療法として病状に応じてビタミンD製剤を投与します。このビタミンD(活性型)の主な副作用は食欲減退や吐き気です。病気の方がやせ細っていくのは大抵、病気そのものではなく薬の副作用のせいです。必要であればリン製剤の投与されます。
定期定期に血液・尿検査を実施して効果をチェックします。生活指導は日光浴(1日10分からでOK)や食事、運動をするように喝を入れられます。
とくに女性は日焼けを気にして嫌がる方もいらっしゃるでしょうが、10分くらい木陰で日光浴しても皮膚ガンにはなりませんし、シミやくすみの最大の原因は化粧負けです。適度な紫外線はからだを丈夫にします。
受診のタイミングと予防策
「何か歩きにくいな」「おかしいな」などとと感じたら素人に確証など必要ありません。整形外科へ行ってよいのです。からだを過信しない、臆病さは大切です。
日頃の対策としては、ビタミンD(魚、ほうれん草などの色の濃い野菜、卵、キノコ類など)、とリン(魚、大豆、大豆製品、牛乳、乳製品など)を食事に取り入れましょう。
ただし、塩分が多く素材の味が残っていないようなバター炒めなどは効果が半減します。できるだけシンプルにいただきましょう。どうしても苦手な方はサプリメントでもよいのですが、食べもののほうが安全です。
案外、食べなれると美味しく感じてきたりするものです。過剰摂取すると腎臓結石などを発症する恐れもありますので、ほどほどに食べて吸収を促進するために運動と日光浴をする、つまりは健康的な生活を送ることが何よりです。
まとめ
骨が軟らかくなる?骨軟化症とは
原因は食生活?症状のあらわれ方
治療は投与と日常生活の努力
受診のタイミングと予防策