ミグシス は偏頭痛に効果がある大衆薬として知られています。使用されたことのある方も多いことでしょう。ですが効果があったのかなかったのか、よくわからずじまいという方も少なくないのではないでしょうか。
注意事項を最初から最後まで読み通すことがないまま、服用を続けていてはお金と時間のムダになりかねません。ミグシスの基本をおさらいしてみましょう。
効く?効かない?ミグシスの本領は
事後服用は効果なし?
ミグシスは一般にはロメリジンという名前で親しまれています。最初におさえておくべきことは、ミグシスは「偏頭痛の発生を予防する薬」である点です。つまり「偏頭痛だ!」と思ったときに慌てて服用しても効果はほとんどないということです。
ミグシスには神経細胞などに入り込むカルシウムを抑える血管拡張作用があります。
説明書きをよく読むと、偏頭痛の「発作回数や頭痛の程度の軽減」、「前駆症状の改善」、「発作治療薬の減量」などの効果についての記述はありますが、「偏頭痛の症状が治まる」とは明記されていません。
次に用法・用量についてですが、成人は通常1回1錠を1日2回、朝食後と夕食後または就寝前に服用します。症状によって増減されることはありますが、1日4錠が限度です。医師の指示は必ず守ってください。
もし飲み忘れたときには、気がついたときに服用すれば問題ありません。ただしそのときが次の服用時間に近い場合には服用せずに、次の服用時間から1回分を飲みます。2回分を一度に飲んでも良いことはありません。
1錠多く飲んだくらいでわざわざ医師や薬剤師に相談に行くのは面倒くさいかもしれませんが、できれば足を運ぶべきです。
また、ご自身の判断で服用を止める方も少なくないでしょうが医師の指示は守ったほうが身の為です。もったいないですが、残った薬は廃棄しましょう。
薬には必ずデメリットがつきもの
ミグシスに限らず、薬の服用には副作用のおまけがほぼ必ずついてきます。これまでの体調不良はミグシスの副作用だったのかと気がつくこともあるかもしれません。
主に頭痛、腹痛、吐き気、めまい、ほてり、眠気、口内炎、食欲不振、アレルギー、下痢、便秘、軟便、排尿障害、胸痛、発熱、発汗、血圧低下、胃腸障害、頻尿、浮腫などが知られています。
これらの症状は服用後すぐにあらわれることもあれば、2~3日後に出てくることもありミグシスの副作用ではなく単なる体調不良と勘違いされても仕方がありません。
服用を中止しても治らないこともありますし、そのままアレルギー持ちになって生涯過ごすことになる高リスクもあることを頭に入れておいてください。
副作用の症状に苦しめられているのに、医師の指示を待っている必要はありません。ただちに服用を止めて早めに病院へ行きましょう。
甘さが命取りに
ミグシスを服用するときは、ご自身が服用対象者として適切かを判断しなくてはなりません。前述のとおりミグシスには眠気を誘発する副作用がありますので、飲んだあとに車やバイクの運転をするのは控えましょう。
「自分は大丈夫」と根拠なく自信を持つのは周囲の皆さんにも迷惑をかけるリスクを高めます。
また、ご高齢の方やうつ状態の方、パーキンソン病症候群、重篤な肝機能障害などをお持ちの方は状態によってはミグシスの服用は控えることになります。
服用が原則禁止となるのは、妊娠中の方、ミグシスに対して以前アレルギー反応が出た方、急性期の脳梗塞を患っている方などです。ミグシスは「むずかしい薬ではないから」と自己判断で服用しては命がいくつあっても足りません。
風邪薬を飲んですぐに「治った」という方がいらっしゃいますが、ミグシスの効果があったかどうかを自己判定するには少なくとも数ヶ月ほどの時間を要します。
それも偏頭痛がすっかり完全に良くなった、というよりは以前に比べて症状が軽くなったような気がする、という具合です。
実は偏頭痛ではなく、ほかの脳の病気の症状であることも考えられますので数ヶ月間服用しても効果がない場合は脳外科や脳神経外科などを訪問することも検討しましょう。ミグシスは「予防に効果があるかもしれない薬」と心得て服用してください。
まとめ
効く?効かない?ミグシスの本領
事後服用は効果なし?
薬には必ずデメリットがつきもの
甘さが命取りに