胸焼けは、胸焼けというひとつの症状としてあらわれる場合と、さまざまな疾患の症状としてあらわれる場合とがあります。そのため、胸焼けという言葉の表現自体も多様に認識される傾向にあります。胸焼けという症状の正確な定義づけと、 胸焼け の 症状 を伴う疾患についてご案内します。
胸焼けを症状とする疾患
胸焼けという症状の表現
胸焼けという症状をうったえる方は多くいらっしゃいます。けれどもうったえる言葉の意味合いは広く、それぞれに微妙なズレがあります。
医学用語においては、胸が焼け付くように痛む症状という定義になりますが、そもそも焼け付くような痛みとはどのようなものなのでしょうか?
自覚症状であるがゆえに、その表現も人によって変わってきます。ちりちりと焼ける、キリキリと痛む、締め付けられるように痛むといった表現、あるいは胃がムカムカする、お腹が苦しい、吐き気がするなどの胃もたれの症状と重なる部分も含めて胸焼けとおっしゃる方も少なくありません。
「胸焼けがします」と言って医師の診察を受ける場合には、できるだけ細やかに具体的な説明を付け足すことをお勧めします。
もちろん医師はプロフェッショナルですので、言葉だけでなく触診や聴診等により正確な判断を導き出しますが、詳細な補足説明があると、診断と治療がよりスムーズに進みます。
ムカムカする症状
胃がムカムカする、お腹が苦しい、といった症状の場合には、食べすぎによる胃もたれか、あるいは機能性胃腸症という病気の可能性があります。食べ過ぎによる胃もたれの場合には、食事制限によって胃の機能は回復します。
機能性胃腸症とは、内視鏡検査の結果、胃や内臓に潰瘍や腫瘍などの異常も見られないのに、慢性的に胃の痛み・不快を感じる症状のことを言います。
以前は慢性胃炎、神経性胃炎などと呼んでいたのですが、炎症も見られない症状に対しての呼び名としてふさわしくないことから、機能性胃腸症と呼ぶようになりました。
機能性胃腸症は胃そのものの機能不全によるもので、少量の食事に対しても敏感に反応し胃もたれしたり、飲食に関係なく胃が痛んだりします。
その原因として考えられるのは、胃の機能の低下、胃酸分泌への過剰な反応、心理的ストレスなどが挙げられます。
機能性胃腸症の治療は、他の多くの内臓疾患と同様に規則正しく健全な食生活を営むことにあります。それが出来ていたら初めから発症することもないのですが、病んでみて改めてその重大さに気づくものです。
ただし、規則正しい食生活をかえってストレスに感じる方もいるかもしれません。ストレスこそは万病のもとです。ストレスを溜めない、健康的な食生活が大切です。
また、多種多様な薬物による治療もあります。
消化管運動機能改善薬は、消化管の運動機能を回復させる働きがあります。また胃酸の分泌を抑制する薬もあります。また胃の粘膜を弱らせてしまうピロリ菌を除去する治療法もあります。抗うつ剤や抗不安薬は、不安や焦りなどのストレスを軽減させ、精神を安定させてくれます。
胸焼けを引き起こす病気
逆流性食道炎は、胃酸および胃の内容物が食道へ逆流し、食道が炎症を起こす病気です。胸焼けの症状を伴う病気としては、もっとも多くを占めます。
同様のケースで食道に炎症が見られない場合には、非びらん性胃食道逆流症と呼ばれます。
急性胃炎は胃の粘膜が炎症を起こすことによって胸焼けや胃痛を伴う病気です。主な原因としてはコーヒーや緑茶、あるいは香辛料など刺激物の過剰摂取があげられます。
また他の病気に対する薬物の服用によって胃炎になる場合もあります。粘膜の炎症ですので1日程度安静に過ごすか、胃腸薬の服用によって治療できます。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、胃酸によって粘膜や皮膚が解けてただれる病気です。症状としては、胸焼けの他に食欲不振、胃痛、出血や下血を伴う場合もあります。胃潰瘍はほとんどの場合、食後に痛みが生じます。
空腹時に痛む場合には、十二指腸潰瘍だと考えて差し支えないでしょう。これらの治療は、出血がある場合には内視鏡による止血を行ってから、胃酸の分泌を抑える薬の服用、さらにピロリ菌の除菌治療を行います。
症状が軽減したからと言って安心せず、薬は医師の指示通りに一定期間服用しなければなりません。
まとめ
胸焼けと胸焼けを症状とする疾患
胸焼けという症状の表現
ムカムカする症状
胸焼けを引き起こす病気