健康診断の結果、尿酸値が上昇気味でこのままでは将来は痛風か糖尿病かと冷や汗をかいている方は少なからずいらっしゃることでしょう。しかし心のどこかで、まだ大丈夫という気持ちがあり医師の助言に耳を傾けているようで聞いていないかもしれません。
尿酸値 と 痛風 はどの程度の相関性があるのでしょうか。
痛風間近?尿酸値は気にかけるべき?
水分補給で解決?
痛風の予防に尿酸値の正常化は必須事項です。尿酸というのは体内細胞の老廃物で、老廃物は体外へ排出しなければ尿酸値は下がりません。ありがたいことに尿酸は尿に溶ける性質です。つまり水分を摂取すれば尿量が増えてより多くの尿酸が体外へ出てくれるのです。
こうきくと尿酸値を下げるのはとても簡単なことのように思えますが、水分補給というのは意外とむずかしいものです。水分であれば何でもOKではなく、お水か麦茶が望ましいとされています。
炭酸飲料やスポーツドリンク、ジュースやコーヒー、紅茶などは多かれ少なかれ糖分が含まれていますので日中の飲み物として合格とはいえないのです。甘い飲み物が好きで飲むのが習慣になっていると、お水と麦茶で凌ぐというのはかなりつらいものです。
ガマンできたとしても、反動で飲み過ぎるのも怖いところです。また飲み物だけではなく、食べものにも気をつける必要があります。尿酸が体内にたまってしまういちばんの原因は暴飲暴食です。暴飲暴食はすなわちプリン体の過剰摂取ということです。
プリン体がからだに悪いことは知らず知らず認識されていらっしゃると思いますが、健康に良かれと思って頑張っている運動も筋肉疲労が過剰になると尿酸値を上げています。運動をして尿酸値が上がり痛風まで発症したのでは、たまったものではありません。
家系ではないと油断しない
痛風の発症にも遺伝性がありますが、尿酸値も遺伝によって上がりにくい・下がりにくいがあります。とはいえ、「親も比較的暴飲暴食家だったが加齢による疾患以外は健康そのものだったし…」とからだのパワーを過信しては危険です。
親子とはいえ別の生命体ですし、飲食しているものもだいぶ異なればプラスの遺伝子など吹っ飛んでしまいます。尿酸値の正常値は男女ともに7.0mg/dL以下とされていまして、これ以上になると高尿酸血症とよばれます。
慌ててお水と麦茶をたくさん飲んでも全く意味がないこともありませんが、高尿酸血症に一度でもなると身体に癖がつきやすくなります。大食いの癖がついて元に戻らないのと同様です。
一時的に尿酸値が下がったとしてもほんの些細なきっかけで元の尿酸値に戻ってしまいます。病院へすぐに向かえばさほど問題はありませんが、「尿酸値が高めですね」といわれたくらいではなかなか足が重いようです。
しかし高尿酸血症の状態を放置すると痛風を発症するリスクは大幅にアップします。また一度高尿酸血症の状態になったら、今後は一生プリン体の多い食べ物には気をつけるべきです。
白子、ロース、ヒレ肉、マグロ、カツオ、アジの干物、果物などの食べすぎは尿酸の生成を助けます。お酒はビールよりは、日本酒、焼酎の水割り、ワイン、ブランデー、ウイスキーのほうがプリン体は少ないですが、飲みすぎては同じことです。
精進生活を送る
高尿酸血症になり痛風の発症におびえるようになるくらい好きなだけ飲んで食べていたのですから、その代償は払わなくてはなりません。
ビタミンやミネラル不足になると尿酸の生成を助けてしまいますので、納豆、ひじき、おから、野菜の煮物やおひたしなどを主菜にして腹八分でガマンします。ときどき満腹状態になるくらいはともかく、肥満は尿酸の生成をより活発にしてしまいます。
ダイエットが必要となれば、始めるべきですが前述のとおり過度の運動は逆効果です。ウォーキングや踏み台昇降など軽めの運動を毎日少しでも行って、続けることが大切です。思いついたときだけ腹八分、軽く運動では何も改善できません。
次の健康診断までに尿酸値を下げれば良いのだから…とひとりで頑張るのが大変になったら、泌尿器科あるいは早くも足が腫れて痛風が疑われる場合は整形外科へ行きましょう。
まとめ
痛風間近?尿酸値は気にかけるべき?
水分補給で解決?
家系ではないと油断しない
精進生活を送る