三半規管は内耳にあり、身体の平衡感覚を司る器官で、バランスを保ち立っていられるのはこの器官の働きによるものです。三半規管が強い弱いと言われることがありますが、それは体質だけでなく、日々の生活の工夫にも関係しており、三半規管は鍛えることができます。
そこで、 三半規管 の構造や働き、影響する因子、機能障害予防と 鍛える 方法について説明します。
三半規管を鍛えると機能の維持促進ができます!
耳の構造と三半規管の形状及び位置
耳は大きくわけると、外耳、中耳、内耳からなっています。外耳の奥には鼓膜があり、音が鼓膜を通じて中耳と内耳に伝わります。
中耳には鼓室と耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)があります。その奥にあるのが内耳で、ここに前庭窓、三半規管、聴覚神経があります。三半規管は3つのチューブ状の半規管が三次元の方向に90度ずつ傾いて構成されていて、外側は骨でできた殻で被われています。
三半規管の働き
三半規管は音を感じる神経と繋がっていますが、主に身体の平衡感覚を維持する働きをしています。
三半規管が身体の傾きを感知するのは、外側を被っている殻との間にリンパ液が満たされていて、リンパ液の動きが有毛細胞を刺激するからです。この働きによって私たちは正しい方向や位置を保って生活できているのです。
平衡感覚に影響する因子
三半規管が障害されると、めまい、吐き気、嘔吐、バランス不良から転倒などが起こります。
原因は、血圧変動、乗り物酔い、内耳の炎症、耳石の移動があります。血圧が高すぎたり低すぎたりすると、三半規管に沿って流れているリパ液の循環不良で平衡感覚機能が低下します。
乗り物酔いは、身体の揺れで三半規管に沿って流れるリンパ液が絶えず有毛細胞を刺激し、気分不良、吐き気、嘔吐を起こしてきます。
また、風邪やアレルギー性の炎症が内耳まで及んだ時には神経炎を起こし、三半規管が正常に働かなくなり起き上がれなくなることがあります。そして、内耳の耳石と言われる小骨が、正常な位置からズレルことによって平衡感覚を狂わせてしまいます。
ただ、平衡感覚は三半規管の直接的な働きだけでなく、視覚や筋肉の動きなども関係し総合的に脳で判断すると言われています。従って、三半規管に連動する視覚情報や筋肉の状態、自律神経の働きも影響することを理解しておく必要があります。
機能障害予防と鍛える方法
機能障害予防として、鼻と耳が耳管で繋がっているので、感染やアレルギー性の鼻炎がある場合は早めに治療して内耳炎に至らないようにしましょう。また、肩や首の筋肉の凝りも血流やリンパの流れに影響するので、適度にストレッチやマッサージをするとよいです。
鍛える方法としては、生活動作における血圧の変動に身体が慣れることが必要です。座っている生活が多い人は30分毎に立位になるとよいです。身体の高低差を変えることで身体の位置情報を速やかに感知し、筋肉や自律神経の機能も維持できます。
乗り物酔いには、ウォーキング等で一定の速度でコースを繰り返し回ったり、足踏みなどの反復運動で振動に慣れるようにします。姿勢の変化には体操や相撲のシコ踏みが効果的です。急激な循環変化にはインターバル速歩(普通の歩行と速歩を交互に行う)があります。
また、普段しない動きで後ろ歩きも効果的で、全方位的な変化に対応できるようにします。めまいは視覚の影響があるので、1日1回でも前転や後転を布団の上で行ったり、イスに座って回転するとよいです。
バランス感覚は、片足30秒立つことやバランスボールに座るだけでも鍛えられます。耳石は身体を回転させたり、傾けたり、座位から立位になるなど身体の位置を変化させることで適切な場所に収まるので、上記のような運動を行えば同時に改善できます。
まとめ
三半規管を鍛えると機能の維持促進ができます!
耳の構造と三半規管の形状及び位置
三半規管の働き
平衡感覚に影響する因子
機能障害予防と鍛える方法