物心ついた頃から乗り物酔いに悩まされ続け、そのせいで思い出に苦味がついている方々は少なくないことでしょう。ご自身も周囲の皆さんも、「 三半規管 が 弱い のは体質だから仕方がない」とあきらめるのは早計であるとご存じでしょうか。
三半規管は鍛えることができるのです。乗り物酔いとスッパリ別れることができるかもしれません。
生まれつきではない!三半規管が弱い原因は?
からだが弱いということではない
「三半規管が弱い」とはどういった状態なのでしょうか。三半規管は耳の鼓膜の内側の中耳とよぶところにあります。カーブ状の管のことで、前半規管、後半規管、外側半規管の3本を総称して三半規管とよんでいます。
三半規管は視覚や筋肉と共に平衡感覚をつかさどっています。このいずれか一部に不調が生じると、乗り物酔いやめまい、吐き気などの原因となります。一見虚弱体質とは無縁そうなお子さんでも発症するのは、体質とは無関係であるからです。
ほとんどの場合、成長とともに自然に一旦改善しますが、加齢とともに再び弱くなってしまいます。ご年配の方がめまいを起こしやすかったり、転びやすかったりする一因です。
ですが、同じ80歳でも週3日ゴルフに行く方もいれば寝たきりの方など人それぞれです。三半規管に限ったことではありませんが、鍛えようという意欲をまず持ち続けなければ始まりません。
あえて慣れない動作で鍛える
目を閉じて歩く
平衡感覚が鍛えられ、三半規管も正常に機能するようになります。外では危険すぎますから、ご自宅の廊下、お部屋の端から端までなどで実践しましょう。後ろ向きで歩くとなお良いです。ちょっとしたカロリー消費にもなります。1回2~3分、できる限り毎日しばらく続けてください。
でんぐり返しの前転と後転
でんぐり返しをしているときは視覚が狂います。毎日繰り返すことで視覚と体感の差が縮まり、乗り物酔いしにくくなります。1日前後各1~10回ほど行いましょう。
バランスボールに座る
自然とバランスをとるために三半規管を鍛えるということができています。良い運動にもなります。
トランポリン
平衡感覚と視覚のズレに対する身体の対応力を鍛えます。お手頃価格のご家庭用も多数ありますので、モノを増やしたくない方には不向きですがダイエット効果もありおススメです。
最後は食べ物と生活習慣
からだを動かすエネルギー源は食べ物です。
乗り物酔いといえば、ガム、キャンディ、飲料水がマストアイテムとして浸透しています。甘いものよりもレモンや薄荷、ハーブ系のもののほうが気分がリセットされやすいです。
飲み物も濃いジュースよりはスポーツドリンクや麦茶などのほうが良いでしょう。ハーブになじみのない方は、アレルギーに注意してください。
外の景色を一切眺めないようにして、ひたすら少しずつ食べ続けるという方法を実践されていらっしゃる方も、「私はこうしていないとダウンする」という強迫観念に近いものは一旦捨ててリラックスしてみましょう。
「私は絶対に酔わない」という強い気持ちは大切です。健康的な方は、自分を信じる力や自己肯定感が強いものです。ゆううつ気分でいると自律神経も乱れて三半規管にも影響を及ぼします。
また、日頃から体調を整えておく努力も必要です。乗り物に乗る2、3日前から塩分や脂分の過剰摂取を控えたり、睡眠を十分にとったりします。
寝不足であれば、大人になってから初めて乗り物酔いをしたりめまいが起こったりすることもあるでしょう。
いろいろ試してみたけれど、一向に改善の兆しがみられないという場合は病院へ行ってみましょう。耳鼻咽喉科、神経耳科、めまい外来、平衡神経科などがありますので、調べてみてください。
まとめ
生まれつきではない!三半規管が弱い原因は?
からだが弱いということではない
あえて慣れない動作で鍛える
最後は食べ物と生活習慣