お顔の筋肉が上手に動かせないような、というよりも目の奥が重いような気がする方は三叉神経痛の可能性があります。
神経痛はマッサージすれば治るイメージがあるかもしれませんが、 三叉神経痛 はさまざまな 原因 がありますので、病院でみてもらわないと治療が始まりません。違和感を覚えたら、早めに行動すべき疾患です。
顔面まひ?三叉神経痛の原因とは
日常のなかのちょっとした原因
三叉神経痛は日常のなかのほんのささいなことが原因で発症します。洗顔、歯磨き、ひげそり、そしゃく、疲れ目、ヘルペス、冷たい風にあたるなどがあげられます。患者さんのなかには食べることや話すことができなくなってしまう方もいらっしゃいます。
特にご年配の女性に多く、男性のおおよそ2倍です。三叉神経は3本にわかれていますが、2枝(ほお・上あご)と3枝(おとがい・下あご)に多く起こります。1枝(おでこ・こめかみ)には少ないようです。
痛みの特徴は、顔面の片側に発作的に数秒から数分間続き反復しながら激痛に見舞われます。筆舌い難い痛みの原因は、一時的な血流悪化により引き起こされます。血管が縮小すると痛みが起こり、血管が拡張して血流が元通りになれば解消します。
この痛みはかなりのもので、発症したことのない方に口で説明するのはむずかしいものです。針をさされているような、ペンチで顔をえぐられているような、といった表現で訴える患者さんもいらっしゃるくらいです。
原因がどれも気をつけようがないようなものばかりですが、発症する方としない方の違いは紙一重です。比較的お元気な、ご本人も健康に自信のある方も発症するリスクはもちろんゼロではありません。
限られた治療法
病院でみてもらった結果、脳腫瘍や歯科疾患、耳鼻科疾患、帯状疱疹などが原因であると診断されることもあります。その場合はこれらの治療を先に済ませることになります。
ほかの疾患がみられず、特発性の三叉神経痛と診断されたときには以下のような治療法を提案されます。薬物療法(テグレトール・カルバマゼピン)、ガンマナイフ、神経節凝固、神経ブロック(グリセロール・バルーン・無水アルコール)、手術などがあります。
最も有効とみなされているのは薬物療法です。テグレトール(カルバマゼピン)は特効薬としての地位を確立しており、テグレトールの服用のみでコントロールなさる患者さんは多くいらっしゃいます。
そしゃくを行う食事の前に服用するなど薬の飲み方をある程度自由に工夫することができますので、患者さん個々人にあわせた服用で相当程度克服できます。
しかし特効薬といわれるだけあって、決してマイルドな薬ではありません。副作用として眠気やふらつき、皮疹、肝機能障害などがみられます。ほんの少しの症状ではなく、徐々に悪化することもありますのでそのときは手術を勧められます。
気楽にたのしく過ごすこと
手術を頑張って受けたとしても、完治することは現在の治療法ではまずありません。それは薬物治療やほかのものでも同様です。ただ命に関わる病気ではないので、できる限り気にせずにいつもどおりの生活をすることが大切です。
疲れていると痛みの発作が起こる確率も上がりますので、睡眠をたっぷりとって栄養バランスのとれた食事をしましょう。それができれば苦労はしていないと思われるかもしれませんが、日頃の生活習慣を振り返ってみるとできることが一つ二つはあるはずです。
疲れないためには、まず仕事など以外では必要以上にパソコンとふれあわないことです。スマートフォンやテレビも同様です。どんなに目にやさしいといわれる眼鏡などをかけたとしても、疲れはたまります。
平日はガマンして休日にまとめてテレビを観たりDVDを観たりというのもかえって目の負担になりますので、理想としては1日1時間ずつなど少しずつのほうが良いでしょう。
また、病院で診察してもらってもはっきり原因がわからないことのほうが多くモヤモヤした気分でつらいかもしれませんが、ストレスをこれ以上増やさないように前向きにあきらめの気持ちをもって悪化しないようにしましょう。
まとめ
顔面まひ?三叉神経痛の原因とは
日常のなかのちょっとした原因
限られた治療法
気楽にたのしく過ごすこと