お子さんが夕方になると「からだが痛い!」と機嫌が悪かったり泣き続けたりして、ほとほと困っているという光景は貴方のご家庭だけのことではありません。その原因は 成長痛 の可能性があります。
お子さんはきちんと説明することがむずかしいですから、 かかと が痛いのか、つま先が痛いのか自分でもわからない!とにかく痛いのだという状況です。ご家族のサポート方法をご紹介いたします。
成長痛?かかとの痛み
放っておいても治る?
成長痛とみられる症状は、主として3~10才くらいの間にみられます。しかし、医学的にはっきりした「この症状が出たら成長痛である」といった定義がないため、もしかしたらほかの病気、たとえば血友病、白血病、骨肉腫などは足が痛みますので可能性はあります。
また、成長痛がまったく来ないままどんどん背が伸びていく子どもも大勢います。したがって、背が伸びる伸びないと成長痛は関係性がないと考えられています。
成長痛の場合、片足もしくは両足に痛みが出ます。かかと、足首、ふくらはぎ、ひざなどが夕方~夜にかけて小1時間近く歩けないほどの痛みに襲われます。
痛む部分は腫れているわけでも熱を持っているわけでもなく、大抵の子どもは一晩寝て起きるとケロッとして動き回っているため、放っておいてもそのうち治るというのが世間の定説になっているようです。
歩き方や靴を見直す
足音が大きかったり、階段をかかとからドスンドスンと降りる習慣のある子どもは、足腰や首を痛めやすくなります。心身ともにやわらかい成長期ですから、毎日の身体にかかる衝撃はすぐに症状にあらわれます。
元気に動き回っているから何も心配はないと判断して野放しにするのは、あまり褒められたものではないのです。かかとの骨が正常に成長しないと足が歪みます。そのまま成長すれば扁平足や外反母趾、ハイアーチ、指上げ足の原因をつくります。
また、靴のかかとをつぶして履いて歩く、ゆるい靴やきつい靴を履き続けたり、かかとのないサンダルを好んで履くのも良くありません。転ばないように足に力を入れて動くことになりますから、子どもの骨はすぐに歪んでしまいます。
そうなると歩き方も不自然な不安定な見た目になります。歩き方や姿勢にも親の育て方があらわれます。安くて洗うのが楽だからなどという理由で安易にサンダルを履かせてはなりません。
親子でふれあいながら治す
成長痛のもう一つの側面として、日中に遊んだ疲れや下に兄弟が生まれたり母親が職場復帰したりという環境の変化がストレスとなり、痛みを生じているのではという見方もあります。ですから、十分なスキンシップと休息は大切です。
父親は無関係ということではありませんが、母親と過ごす時間のほうが長いのであれば子どもにとっては母親がほぼすべてです。母親が疲れでイライラしていれば、子どもにも伝わります。
父親が家にいるときや、母親の実家に帰ったときなどに下の子を任せて、2人で一緒にお風呂に入ってマッサージをするのも良いでしょう。下の子が生まれてからは2人になることは滅多にないことですから、よく話を聞いてあげましょう。
温まることで血流が良くなり、自律神経の安定にもつながります。お風呂あがりに温湿布やサロンパスなどを張り合うのも楽しい時間です。最もむずかしいのは、足にストレスがかかるような運動を控えることです。
もともと大人しく室内遊びを好む子どもでもなければ、かえって不機嫌に足をドタドタさせてしまい悪化する可能性があります。
「今、少し静かに過ごしてからだを休ませてあげれば、足がもっと早くなるし、背も伸びるよ」というようなことを上手く言い聞かせるには、日頃の親子関係がモノをいいます。
また、子どもの友達の保護者の方にも事情を説明して理解を得たほうが、後々の心配が減ります。一晩寝ても痛みがあり何日も続くようであれば、小児科、整形外科で診てもらいましょう。
まとめ
成長痛?かかとの痛み
放っておいても治る?
歩き方や靴を見直す
親子でふれあいながら治す