整体師になるにはどうすれば良いのでしょう。そもそも整体師とはどのような職業で、どこまでの業務を整体と呼べばよいのでしょう。整体院を開業するにあたって 整体師 の 資格 が必要なのでしょうか。整体の歴史からひもといて、整体の定義、整体業について記します。
整体師とその資格
整体の歴史
整体という言葉が広く知られるようになったのは、1956年、野口晴哉という人が「社団法人整体協会」を設立してからのことです。東京の漢方医の九男として生まれた野口晴哉氏は15歳のときに「自然健康保持会」を設立し、東京入谷に道場を開きます。
その後、健康法や治療法の理念を体系的にまとめ上げた「整体操法」を確立、1947年に初めて整体操法にかかわる指導者の育成機関としての「整体操法協会」を設立します。
野口晴哉の健康法へのあくなき追及心は途絶えることなく、人間の身体における個性研究から「体癖論」の完成、そして「治療」することよりも、人間の身体が本来持っている力を引き出し、健康を維持していくという理念へと辿り着いたのです。
野口氏はこの活動を「体育」と名付けました。これが「体育」という言葉の始まりでもあり、「整体」の歴史ということになります。
整体とは
整体とは、東洋医学に基づく健康法をベースとした医療保管技術です。その施術法は手技により、骨格や関節の歪みやズレを矯正し、リンパや血液の流れを良くして、人間の身体が本来持っている自然治癒力を活性化させるという理念に基づいた民間療法の一種です。
人々の様々な生活習慣の中で発症する肩こりや頭痛、腰痛、神経痛などに対して、効果を発揮すると言われ、「整体術」、「整体療法」、「整体法」とも呼ばれています。
現代の整体は多様です。日本古来の武術である柔術や骨法の各流派に伝わる手わざによる整体、あるいは中国医学の手技療法をルーツとする整体、またオスティパシーやカイロプラクティックなど欧米から伝わった整体があります。
厳密にいうとカイロプラクティックと整体は違うものになりますが、手技療法を駆使して身体を整えていく民間の療法である点で同じ枠の中に入ります。
整体師とカイロプラクター
整体業務に携わる人を整体師と言い、カイロプラクティックの資格を持ちカイロプラクティック業務に携わる人をカイロプラクターと言います。整体師もカイロプラクターも国家資格ではなく、民間での資格認定になります。
通常カイロプラクティックを整体と同義に考えがちですが、その施術内容には微妙な違いがあります。整体師は脊柱のアジャストメントをしません。カイロプラクターは脊柱のアジャストメントを専門に施術します。
他に鍼師やあんまマッサージ指圧師も整体に係わる職業資格として挙げられますが、こちらは国家資格となります。
整体師の資格取得方法
整体師の資格、およびカイロプラクティックの資格は民間の各団体での認定になります。日本手技療法協会や日本整体施術師協会、日本整体協会、日本整体技能認定協会などの団体があり、それぞれの団体により受講期間や受講料が異なります。
統一された講義や試験項目もなく、各団体の主宰する学校を卒業することによって認定を受けるという形になります。なかには通信講座によって資格認定する団体もあります。資格認定に関しては、法的な規制がないため、ある日突然「整体師」と名乗ることも可能なわけです。
だからといって安易に「整体院」を開業しても、内容が伴わなければ上手くいくことはありません。このような民間資格の開業には法的な規制が多く、厳しい目が向けられます。
なおかつ巷には「整体院」「カイロプラクティック」が溢れているのが現状です。それほどの人気商売でもあるがゆえの、競争の激しさも覚悟して開業しなければなりません。
あんまマッサージ指圧師の資格を取るには、専門の学校に3年間通い、卒業後に国家試験を受験する必要があります。学費が高額となりますが、授業の密度が濃く、資格を取得しさえすれば独立開業、あるいは医療機関での仕事などニーズは多様です。
まとめ
整体師とその資格
整体の歴史
整体とは
整体師とカイロプラクター
整体師の資格取得方法