皆さんは 仙骨 に ブロック注射 をすることに対してどのようなイメージをお持ちですか。通常の予防注射などよりも痛いが、我慢すればその後とても楽になるというプラスのイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。しかし、何事にも良い面と悪い面はあります。
ご家族が大丈夫だったからご自分も大丈夫とは限りません。万が一の事態をシミュレーションして備えましょう。
仙骨のブロック注射は万能なのか
ブロック注射の心構え
ブロック注射は主として神経症状を伴う病気に効果があります。なかでも特に、坐骨神経痛をお持ちの患者さんに薦めることが多いです。そして外来の患者さんでも簡単に済ませられるのが仙骨ブロック注射です。ブロック注射は上手くいけば即効性が期待できます。
注射が苦手な方は視界に入らない部分に針を刺されるのが恐怖かもしれませんが、仙骨ブロックはうつ伏せの姿勢になります。薬剤を、尾てい骨の中央に位置する小さな骨の穴から腰の神経の周りに注入する方法をとります。
施術後は足にしびれが残ることがあるので30分ほど安静にしなくてはなりません。したがって、お昼休みなどにお願いするときにはお時間に余裕を持って行かないと困ることになります。また注入する薬剤は局所麻酔剤ですが、この麻酔薬にアレルギーのある方は処置を受けられません。
加えて、1回で全て解決するわけではありませんので、効果を毎日持続させるために週1回ペースで注射をしなければなりません。
からだの負担を考慮するとこれ以上の頻度は危険です。さて、ブロック注射が体質に合っていた場合の効能ですが、患部の神経や筋肉の緊張をほぐしてくれます。血行を良くしてすみずみまで栄養素を届け、不要な成分をからだから排出します。
同意は慎重に
ブロック注射は看護師さんも処置できる採血用の注射などとは全く異なります。副作用も軽視できないので、必ず患者さんの同意に基づいて施術します。
熟練した技術を持つ医師にかからないと、誤ってほかの部位に注射をしてしまい何の変化もないのは良いほうで、副作用で長患いになる危険が大きいです。できるだけ大きい病院で脊椎専門医に処置を受けることを強くお勧めします。
せっかく我慢して施術を受けても、ほんの気休め程度にしかならなかったというケースも多くあります。それどころかけいれんや、手足が自由に動かない、意識を失う、場合によっては致命的な容態になることも覚悟しておかなければなりません。
完治を期待してはならない、ということを忘れないでください。何度も施術を受けるとからだが慣れてきてしまい、効果が薄れることもあります。症状によっては手術を勧められます。
副作用の危険と生活改善
ブロック注射を打つとお薬を処方されます。麻薬系の強い痛み止め「トラムセット」は飲みなれるまで吐き気などに苦しむケースが多いようです。水分をこまめに摂りましょう。
さらにトラムセットを飲んだときの副作用を抑える薬、便秘解消の漢方薬、ロキソニンとその副作用を抑える胃腸薬で合計2,000円ほどの負担になります。注射も1回2,000円くらいです。
意外と安いと感じるでしょうか。しかし、あくまで一時的に痛みを抑えているに過ぎず、根本的な解決には至っていません。
腰に負担をかけない生活を心がける姿勢が必要不可欠です。
一つは、ダイエットです。肥満の自覚がおありなら、腰痛の原因の9割以上は体型にあります。肥満ではないが不規則な生活を送っている方は、早寝早起きで運動をしましょう。
無理をしてジョギングをしろというのではありません。ラジオ体操を室内で行うくらいから始めれば十分です。全身を動かすので、始めは疲労感を覚える方もいらっしゃいます。ご自身のからだを労わるという意識があれば、きっと長続きするはずです。
まとめ
仙骨のブロック注射は万能なのか
ブロック注射の心構えと効果
同意は慎重に
副作用の危険と生活改善