皆さんは、腰の周辺に痛みを覚えると「腰痛だな」と判断されることでしょう。腰痛というのは腰の骨以外も関係していることが多く、特に仙骨とは持ちつ持たれつの関係です。ふだんはそれほど意識していないかもしれませんが、人体の要である仙骨の痛みを放置するのは危険です。
仙骨 に関心を持つことができれば、 痛み の悩みも半分解決したようなものです。
その痛みの原因は腰ではなく仙骨にあった?
仙骨の偉大な存在感
仙骨が痛むということは、歪みが生じているということです。モノでもヒトでも歪めばバランスが崩れてからだ全体に不調があらわれます。とりわけ歩行時に痛みをかばおうと、片方の腰に負担のかかる歩き方をしていると、腰椎の神経を刺激してしまいます。
その結果、しびれや血液のうっ血によって腰痛になることがあります。また仙骨の位置が正常ではないと、坐骨神経や動脈を圧迫して背中の痛み、肩こり首こり、便秘、冷え性、むくみ、生理痛、生理不順などの体調不良に振り回されることがあります。
それぞれに別の原因があることもありますが、病気でもない場合、大元の原因は仙骨にあると考えて良いでしょう。
たいていの原因は自らにある
身体全体の筋力のバランスが整っていれば、仙骨が歪むようなことは滅多に生じません。特に腹筋や背筋が弱ってくると仙骨の負担になります。お尻の筋肉も大切です。よく勘違いしている方が多いのですが、お尻は筋肉が少なく凝り固まっていると全体的に柔軟性を欠きます。
しなやかな筋肉がついていると柔らかいお尻になります(ぜい肉は別です)。いつも同じ足を上にして足を組む習慣も改善したいものです。
足を組まないのがいちばんですが、そんな急にできるものではありません。気がついたときにちょっと止めてみたり、反対の足を上にして組んでみたり片方に負担が偏らないように意識して生活しましょう。
足組みよりも難儀な習慣は「猫背」です。自覚のないケースも珍しくありません。子どもの頃は親や周囲が注意してくれますが、大人になるとわざわざ注意してくれることは稀です。
全身が映る鏡の前で横向きに座って、背筋が伸びた状態の姿を研究したり、あるいは病院や整体院へ姿勢矯正の相談に行くのも良いでしょう。加齢と共に筋力は衰えますが、何もしなかったケースと何か努力したケースでは仙骨にも明らかな差が出てきます。
怠けなければ改善できる
何をすることがつらくなくて、楽しいかは個人差がありますが、仙骨の痛みを改善したいと本気で考えているのであれば、ある程度の根気と生真面目さは必要です。
からだ全体を鍛えるに越したことはありませんが、よりダイレクトに効果が期待できるのは腹筋、背筋、スクワットなどを少なくとも1日各10回以上は行うことです。
早く終わらせたいからと早く行うよりも、筋肉の伸びを意識しながらスローペースで行うほうが少ない回数でもかなり心地よく疲れて効果があります。
また、左右のバランスを矯正するためにバッグなどを両方の肩にかけたり交互に持つようにしましょう。小さいことと思われるかもしれませんが生きている間ずっと片方の肩のみにかけていたら、重量にもよりますが必ずバランスは崩れます。
午前中は右肩右手、午後は左肩左手などと決めると考える手間が減ります。お仕事で長時間座りっぱなしの生活を改善することはできないという方にも、改善の余地はあります。痛みのある部分が椅子に直接当たらないように、クッションや座布団などを持っていきましょう。
もし、今は仙骨の痛みがなく「足腰は丈夫だから」という方も楽観はできません。いつまでも今のままの体力や丈夫さを何もせずに維持することは、ほぼ不可能です。健康なときに貯金のつもりでからだを鍛えておくと、ちょっと無茶をしたときに仙骨が耐えてくれるかもしれません。
まとめ
その腰の痛みは腰ではなく仙骨にあった?
仙骨の偉大な存在感
たいていの原因は自らにある
怠けなければ改善できる