高齢者やスポーツをしている人など膝の痛みや腫れ、違和感を訴える方は多くいます。膝は痛めると日常生活の中で大きな障害となります。膝関節の痛み全般の総称である「 膝内障 」の症状や具体的な病名について理解し、膝の痛みに早急に対応するように心がけましょう。
膝の痛みの原因「膝内障」について
膝の役割
膝は「体重を支える」、「足を動かす」という役割を担っています。足を動かすことにより膝には個人の体重の何倍もの負荷がかかります。歩くだけでも体重の「2.6倍」の負荷が片足の膝にかかるともいわれています。
走ったりジャンプをするとさらに大きな負荷となります。膝はこれらの負荷を吸収し分散することで足の故障を防いでいます。また膝が角度をかえることで、人は「歩く」、「座る」、「しゃがむ」といった足の動きをおこなっています。
膝の可動域は歩く時で60度、正座で140度と広く、これにより膝下を幅広く動かすことができます。膝の故障により可動域が狭くなると、正座ができない、しゃがめないなどといった支障があらわれます。
膝内障とは
膝内障とは膝関節の損傷を総称する病名です。具体的には、膝の「骨」、「半月板」、「靭帯」などの損傷により痛みや腫れの症状があるが、どの部位が原因となっているかが確定されていない場合の病名となります。
レントゲン検査などにより、障害の箇所が確定された時には病名が切替わることとなります。膝内障の症状は障害の箇所によって異なりますが、代表的なものには膝関節の疼痛や腫れ、関節に水が溜まる、膝を動かしたときの違和感やコキコキといった異音などがあります。
原因はスポーツや事故により膝に強い衝撃がかかったことで損傷する場合もありますが、筋力の低下により日常的な動作で損傷してしまうこともあります。
膝内障から切替わる病気
検査によって膝内障から確定診断をされる主な病名として「半月板損傷」、「靭帯損傷」、「膝蓋軟骨軟化症」などがあります。
半月板損傷は膝関節の内側と外側にある半月板という軟骨が損傷した状態です。半月板は膝関節のクッションの役割をしており、損傷をすると膝に激痛をおこします。
靭帯損傷は膝の内側、外側、前方、後方にある骨と骨とをつなぐ役割をする靭帯が損傷した状態です。靭帯損傷には軽度の損傷である捻挫から、重度になると靭帯が完全に切れる靱帯断裂まであります。
靭帯が損傷すると膝関節が不安定となり、損傷の程度によっては歩行が困難となります。
膝蓋軟骨軟化症は膝関節の外側にある膝蓋骨の軟骨の一部に軟化や亀裂が生じた状態です。初期は膝の違和感を感じる程度ですが進行すると痛みを伴います。
子供の膝内障について
子供が膝の痛みを訴え膝内障と診断された場合、半月板損傷が原因となっていることが多いです。半月板は通常三日月型をしていますが、先天的に満月型になっている子供がいます。
満月型であっても病気ではありませんが、満月型は三日月型よりも屈伸時にかかる膝への負担が大きくなるため、半月板を損傷しやすいと言われています。
痛みが軽度であればサポーターやテーピングを利用して半月板への負担を軽減したり、マッサージで痛みを和らげます。痛みが重度の場合や何度も繰り返す際は、外科手術を行う場合もありますので専門の医療機関を受診する必要があります。
膝内障の予防
膝内障の予防は膝への負担を軽減することが第一となります。肥満傾向の方は立っているだけで膝への負担が大きくなりますので、ダイエットが有効な予防法となります。
また加齢とともに筋力や骨は弱くなってしまいますので、日常的に適度な運動を行い膝の筋力や骨量の低下を防ぐことも大切です。
激しいスポーツを行う場合は、サポーターやテーピングをすることで膝を衝撃から守ることができます。
ただし膝内障は激しい衝撃だけでなく、筋力不足や過度な運動が原因で起こることも多いです。膝周辺や太股の筋肉を鍛えたり、ストレッチにより柔軟性を高めておくことで損傷を防ぐことができます。
まとめ
膝の痛みの原因「膝内障」について
膝の役割
膝内障とは
膝内障から切替わる病気
子供の膝内障について
膝内障の予防