手根管症候群 は手のひらの付け根にある手根管内で正中神経が圧迫されることで発症します。治療法のひとつとして 手術 療法も考えられていますが、治療のほとんどが保存療法で症状が改善されるといわれています。
また手術をおこなうと少なからず身体に負担をかけてしまうため、できる限り保存療法をおすすめします。
手根管症候群の治療法…手術する場合はある?
手根管症候群とは?
手根管症候群とは、手のひらの付け根部分にある手根管内で正中神経と呼ばれている神経が圧迫された状態をいいます。手根管には、正中神経のほかにも長母指屈筋腱や浅指屈筋腱、深指屈筋腱など数多くの腱が通っています。
この手根管症候は中年の方に多く発症するといわれており、そのなかでも特に女性に多いといわれています。
手根管症候群の原因
手根管症候群は正中神経を圧迫することで症状を発症しますが、正中神経を圧迫させる原因は数多くあります。
手首の屈伸動作で手首を酷使している場合には手根管内を通っている屈筋腱が炎症をおこしてしまいこの炎症にともなっておきる虫様筋の肥厚によって正中神経が圧迫される場合もあります。
また、スポーツ競技としてはラケットを使用する競技やアーチェリー、体操などに多くみられています。さらに、車いすを使用する場合にも手根管症候群を引き起こしやすいといわれています。
そのほかの怪我が原因となる場合には、手首の骨折や脱臼、変形性関節症、ガングリオン、関節リウマチなどが考えられるといわれています。
手根管症候群の症状
手根管症候群の症状としては、親指から薬指にかけてしびれや痛みがあります。この痛みやしびれは特に夜間になると強くなるといった特徴があります。また個人差はありますが、筋力の低下を感じる場合もあります。
さらに、チネル様徴候と呼ばれている手首の付け根をたたくことでしびれや痛みが増強する場合や、ファーレンテストと呼ばれている両手の甲を合わせ、手首を90度に曲げた状態で60秒ほど固定しておくと症状が発症する場合なども手根管症候群である可能性が高くなります。
手根管症候群の診断方法
手根管症候群をみわける方法としては、さまざまありますが、セルフチェックの方法としては先ほど紹介したチネル様徴候やファーレンテストが陽性であるかどうかを確認することです。
また病院では筋電図やX線撮影やMRI撮影などをおこなうことで確実な判定をすることができます。
治療法は?手術は必要?
手根管症候群の治療法としては、主に保存方法が適応されます。症状が発症してしまった場合には手首の酷使をできるだけ避けて安静にすることで症状の改善が期待できます。
サポーターなどを着用し固定することでよりはやく症状を改善することができるといわれています。症状が強い場合には鎮痛薬の注射やステロイド注射などをおこないます。
ほとんどの場合にはこれらの治療で症状が改善しますが、保存療法で症状の改善がみられない場合には手術が適応になります。
手術療法では正中神経を圧迫している原因部分の除圧をおこないます。手術の内容としては、手根管を開放して行う場合もありますが、この場合よりも鏡視下手術や小切開手術のほうがより負担が少なく日常生活や競技復帰までにかかる時間が短くなります。
手術をおこなうことが確実な治療が見込めるといわれていますが、少なくとも身体には負担をかけてしまうため、保存療法での治療をおすすめします。
症状が改善された場合でも再び手首を酷使してしまうと症状が再発してしまう可能性が高くなってしまうため、手首の酷使をなるべく避け、アイシングをするなど手首のケアをしっかりとおこなうことが大切です。
まとめ
手根管症候群の治療法…手術する場合はある?
手根管症候群とは?
手根管症候群の原因
手根管症候群の症状
手根管症候群の診断方法
治療法は?手術は必要?