側弯症はお子さんが成長する段階で発症するものというイメージがあるかもしれませんが、成人もヘルニアなどが原因で発症することがあります。症状によっては手術をしなくても治る可能性もありますし、かといって放置すると命に関わるケースにまで悪化します。
側弯症 の深刻度と受けられる 治療 をみていきましょう。
側弯症の治療は長い道のり?今すぐ病院へ?
どのくらい深刻なものなのか?
病気ではないし猫背のひとはいくらでもいるではないか、と思われるかもしれませんがただの猫背と気にしていない場合でも、猫背でないひとよりも体調は常に悪いのです。ご本人にとってはその状態がふつうであるため自覚できていないのです。
側弯症には椎間板ヘルニアなどを発症して坐骨神経症や足の長さが左右非対称になることが原因で起こる「機能性側弯症」(一時的なもの)と背骨自体に原因のある「構築性側弯症」の大きく2つに分類されます。症状のあらわれ方は患者さんによって千差万別です。
腰がねじれていたり、背中がでこぼこだったり、おへそが身体の中心になかったりします。肩や肩甲骨の高さの非対称は症状が軽い場合は外見が気になるくらいで済みます。
しかし変形が高度な場合は、肺機能障害や腰や背中の痛みによって日常生活に支障をきたすようになります。
猫背は疲れたような楽なような、くらいで時折背筋を伸ばしたり肩を回したりで気分転換できますが、側弯症はそれだけでは一向に改善されずつらい時間を長く過ごすことになるかもしれません。
子どもがなるもの?
お子さんの場合は、周囲が気をつけてみていなければなりません。多くは原因不明で「特発性側弯症」とよばれています。いきなり発症するから特発なのではありません。特発性側弯症は小学校高学年から中学生が発症のピークです。
男子よりも女子のほうが患者さんが多く5~7倍にもなるとされています。原因不明とはいえ、それまでの生活習慣が何らかの一因となっていると考えられています。それは赤ちゃんの頃にまでさかのぼります。
乳児は脊柱の筋肉が発達することで首が座り立ち上がることができるようになります。動き回ることで頚や腰の周囲に凸のカーブができてきます。
あまり動き回らずおとなしいお子さんは周囲にしてみれば世話をするのが楽かもしれませんが、乳児からの運動不足は心配です。
嫌がるお子さんに無理にスポーツなどを習わせようとしたりする必要はありませんが、週に1度は公園で一緒に遊ぶなどして運動量が極端に減らないようにしましょう。
お子さんが「からだを動かすのが楽しい」という意識を持つことができていないと小学校入学後に体育以外でほとんど運動しなかったり、あぐらをかいたり三角座り(体育座り)をしたり寝転がってうつ伏せで本や漫画を読む習慣がついてしまうと、尾てい骨が圧迫されて側弯症の引き金になる可能性が高まります。
お子さんは大抵の場合、親の真似をします。あぐらをかくのは良くないというのであれば、ご自身も控えるようにしなければなりません。
治療すれば治るのか?
病院へ行っていきなり手術をということにはなりません。そもそもこれといった根本的な治療法が確立されておらず、予防法も試行錯誤状態が続いています。30度未満の軽度側弯の場合は、定期的に通院して経過をみてもらい進行を見逃さないようにします。
進行がみられないとだんだん通院が面倒になってしまうかもしれませんが、油断せずに通ったほうが良いです。30~50度未満の中度側弯の場合には矯正治療を行います。アンダーアームブレースなどの装具を購入することになります。
50度以上の高度側弯は、手術となります。50度以上になるまで病院に行くのをためらうのは時間と体力を消耗し日々を過ごす気力さえ失いかねません。一般に成長期を過ぎると側弯の進行はストップします。
その後も進行するのは神経線維腫症、神経・筋性側弯症、高度な弯曲を有するものなどに限られます。これらは少しずつ進行するとされていますので、定期的にレントゲン撮影をして経過をみる必要があります。
ふつうの猫背や腰痛は運動やマッサージ、カイロプラクティスも効果がみられることもありますが、側弯症の矯正には科学的に証明確認がなされていません。病院へ行く前に整体院などで何とかしてもらおうとは検討しないほうが良いでしょう。
まとめ
側弯症の治療は長い道のり?今すぐ病院へ?
どのくらい深刻なものなのか?
子どもがなるもの?
治療すれば治るのか?