皆さんは、ご自身やご家族の姿勢の善し悪しと骨格の関係を考えたことがおありでしょうか。厳しくしつけても一向に改善されない姿勢は、側弯症の可能性もあります。それはご本人の努力で何とかなるものではありませんし、ましてやどなたのせいでもないことです。
側弯症 の特徴についてご説明いたします。
え?猫背じゃなかったの?側弯症を早期発見するには!!
猫背との違い
側弯症とは、小児期に多くみられる脊柱変形を指します。背骨が左右に湾曲している症状があります。
親御さんが気にもとめず、大人になったご自身の背中をチェックするのは大きい姿見を2台用意してもなかなかむずかしいでしょうから、ご家族や親しい方にみてもらうか早々と病院へ行きましょう。
お子さんの場合は、じっくり確認します。背骨自体のねじれを伴うこともあり、肩甲骨の突出、左右の肩の高さが異なる、腰の高さの非対称は目視やからだに触れることで確認できます。
肋骨や腰部の隆起や胸郭(きょうかく)の変形は素人目にはわかりにくいかもしれません。隆起は前かがみをしてもらって、そのまま後ろから背中をみた場合にわかることもあります。
正常な肋骨や腰部の状態をイメージできる方は少ないでしょうし、完全に左右対称の完璧な体格の人間はまずいませんので、気にしすぎも良くありません。
しかし、側弯症が進行すると心肺機能の低下や腰や背中の痛みにつながることもあります。原因は、100種類以上あるともいわれています。原因が解明されているのは、先天性の生まれつきによるもの、遺伝性疾患(マルファン症候群など)などわずかです。
側弯症全体のおよそ80%は原因不明のままで、これを特発性側弯症といいます。いきなり症状が出る「突発性」とは別物で、原因不明の意味を「特発」とあらわしています。
また、側弯症はご家族(親、兄弟姉妹)にも発症者がいることが多く、これは「側弯症が遺伝する」というより「側弯症を発症しやすい体質」が遺伝するものと考えられています。
外見で悩むことはあるのか
弯曲が大きいと、物理的な影響が出てくる可能性もあります。たとえば足の長さが違ってくるというのは、周囲にも気づかれるほどでもなく、本人が物理的に全く困らなくても精神的にショックを受け後々まで引きずることもあることでしょう。
また、胸郭がだ円形になることで左右どちらか片方の肋骨がもう一方より目立つ症状もみられます。女子はバストの形が左右で違って見えたりすることもあります。肋骨の間隔が不均等になると肺機能に影響を及ぼしてスポーツをするのがむずかしくなる場合も想定されます。
ですが、側弯症によってストレスがたまるほど大幅に行動が制限されるケースはほぼないと考えて問題ありません。
親の観察力を発揮する
側弯症を発症するとき、ほとんどのお子さんは特に何の痛みも感じません。従って、定期的に親がチェックすることはとても重要ですし、学校や医師の協力も必要です。そうはいってもいちばんは親や祖父母など家族の任務です。
健康に産んだからあとはのびのび育てると放任するにしても、ときどきは健康チェックを行いましょう。背中をじっくり観察し、左右の肩の高さ、左右の腕の長さ、スカートやズボンの裾のラインが左右でだいたい整っているかなど、手間暇を要するものではありません。
観察眼に自信がない場合は、おおよそ9才~骨の成長がほぼ止まるまで6~9ヶ月ごとに検査を受けるのも良いでしょう。整形外科で診察とレントゲンを撮ります。骨の成長は女子で16.5才、男子で18才くらいでストップします。
成長が完全に止まるという保証はありませんが、成長が終わると側弯症の進行もスローペースになります。側弯症になったとしても、お子さんが気に病まずに元気で過ごせるかはご家族の対応が大きく関わります。お子さん以上に気に病んで落ち込む姿を見せてはなりません。
まとめ
え?猫背じゃなかったの?側弯症を早期発見するには!!
猫背との違い
外見で悩むことはあるのか
親の観察力を発揮する