ストレートネックという言葉が最近多く聞かれるようになりました。言葉の通り首がまっすぐになっている状態です。正常な首は30度~40度前後に湾曲しているのですが、加齢や首の障害、長時間のうつむき姿勢などにより、首の生理的なカーブが失われてしまうものです。
ストレートネック を改善するためには、首等の ストレッチ を行うことが有効と言われています。
ストレートネックはストレッチで改善できます
主な原因は姿勢や体の歪み
原因は、①慢性的なうつむき姿勢・猫背、②スポーツに起因する姿勢や障害、③加齢・老化、④骨盤や股関節の歪みが関係しています。
①では、長時間のパソコンやスマートホン操作による不良姿勢があげられます。スマートホンの普及でストレートネックの人が増えてきています。
②では、バレエや社交ダンスによる背骨をまっすぐにした姿勢、ボクシング・レスリング・柔道での顎を引き背を丸くした姿勢、格闘技による首への衝撃、スキーやスノーボードでの転倒、車の事故によるむち打ち症からおこる場合があります。
③では、頚椎椎間板症や骨の老化による退行性変性で起こる場合があります。
④では、骨盤の前傾や後弯、骨盤が前に出ている人や変形性股関節症や臼蓋形成不全で股関節がうまくかみ合わない人が、それを補おうとして骨盤が前傾し背骨全体に影響を及ぼしストレートネックへと変形していくことがあります。
身体のバランスが関係しています
首から最も遠い足の障害が関係していることもあります。例えば、外反母趾・偏平足・足底筋膜炎・うき足(足の指が地面につかず浮いている)があると骨盤の傾斜、首のバランスに影響していきます。
つまり、正常な足の形があることで正常な骨盤の傾斜が保たれ、正常な首の前弯が維持されるということです。
症状は無症状から身体全体にあらわれます
症状は、頭痛、肩凝り、首痛、首が動かない、頚椎症、椎間板症、上が向きにくい、めまい、ふらつき感、手のしびれ、逆流性食道炎、胸焼け、吐き気、自律神経失調症、うつなどがあります。
また、枕が合わない、寝違えを繰り返すなど、睡眠や活動に影響をきたします。ただ、必ずしも症状があるわけではなく無症状というのもあります。
胸・首・背中を矯正するストレッチ
ストレートネックの改善は首の矯正だけではありません。原因で述べたように、姿勢や体の歪みを矯正することが大切です。従って、ストレートネックに有効と言われているストレッチは、首だけでなく胸や背中にも及びます。
胸のストレッチは、鎖骨に手を置いて押し上げるように胸をそらします。これは肩の筋肉を解すと同時に姿勢を良くします。
次に鎖骨に手を当てて、首を前後に平行に移動します。首を正常な位置に落ち着くようにする効果があります。ただし、やりすぎるとめまいがする場合がありますので無理はしないでください。
そして、最後にイスに座ったまま、両手を上げて背中をそらします。これは猫背を改善します。これらのストレッチは目安として各5回ぐらい行います。ストレッチによって姿勢や首の位置が変化しますので、自分に合った回数や負荷のかけ方で実践してください。
首枕で矯正するストレッチ
頭の重さは5~10kgと言われています。その重さは、仰向けになって寝ている時は枕がほとんど支えています。
しかし、頭が枕に乗っていて骨盤よりも高い位置になると、首と腰に頭の重みがかかってきます。そのため、首から肩への凝りや腰痛で目覚めることがあります。従って、首を生理的な湾曲にストレッチしリラックスさせることが必要です。そこで、頭を乗せる枕ではなく首枕を使用します。
バスタオルを丸めて首の下に敷き寝るだけです。首枕は高さや太さを調整し自分にあった硬さで痛くないように調整してください。後頭部が少し浮くぐらいの高さですが、後頭部が布団についてもよいです。1か月ぐらい気長に続けてみてください。簡単で効果がある方法です。
まとめ
ストレートネックはストレッチで改善できます
主な原因は姿勢や体の歪み
身体全体のバランスが関係しています
症状は無症状から身体全体にあらわれます
胸・首・背中を矯正するストレッチ
首枕で矯正するストレッチ