頭痛が治らないので病院へ行くと、 トリプタン という薬を勧められることがあります。市販の薬よりも効果を期待して良いのか懐疑的な方もいらっしゃることでしょう。
服用してみないことにはご自身に合うかどうかはわかりませんが、効果を最大限に引き出すためにはコツがありますのでご紹介します。
トリプタンで頭痛が治る?万事解決するのか
市販薬より有効か
頭痛がするからとすぐに病院へ行かれる方は少ないことでしょう。まずは市販の鎮痛薬を購入して経過をみるのではないでしょうか。
市販薬は主としてすでに起こってしまっている炎症を抑えるはたらきをするので、予防にはなりません。また服用のタイミングなども説明書きはありますが、緩やかです。
頭痛がするといったら親切に手持ちの薬を勧めてくださる方もいらっしゃいますが、受け取ったとしても飲まないほうが賢明です。
薬に対する信頼感があると、飲んだ直後から「治った」とおっしゃる方もときどきおみかけしますが市販の鎮痛剤は飲み慣れてくると徐々に効果を実感できなくなります。
対してトリプタン系薬剤は炎症を抑え、さらに脳の血管と神経(三叉神経)にはたらきかけて頭痛の根本的な原因までも抑えることが可能です。拡張した脳の血管を元に戻し、三叉神経が受けた刺激の情報が大脳に伝達されるのを遮断します。
これによって頭痛以外のたとえば吐き気やおう吐、光線や音に対する過敏症状も抑えることが理屈では可能になります。服用のタイミングを習得すれば、期待以上の効果を得ることができます。
種類の選び方
日本で使用できるトリプタン系の薬剤は5種類です。錠剤、注射薬、点鼻薬、口腔内速溶(崩壊錠)それぞれに良さ悪さがあります。
最も手軽なのが錠剤ですが、たくさん持ち歩いていると紛失しやすいという心配と少し多めに飲んでみようかという気になってしまいそうになるのが欠点です。かまないで飲めば薬の味に悩むことはないでしょう。
注射薬は即効性が期待できますが、ガマンできなくなったときにその都度病院へ行き注射をしてもらうのは手間暇がかかります。セルフ注射を習得するには事前練習が必要になりますし、ご家族に協力してもらう場合も同様です。
点鼻薬は好みの別れる薬です。鼻うがいなどが好きな方以外は苦手意識がなくならないかもしれません。
メリットは吐き気などがあり口から薬を吐いてしまいそうなときにササッと鼻から入れられることです。
口腔内速溶(崩壊錠)はお水なしで飲むことができて外でも便利ですが、やや苦味を感じることもあるようです。甘さ苦さの感じ方は人それぞれですし一概にはいえませんが人によってはとても苦くてもう飲みたくないということもあるかもしれません。
お口の中で溶けやすくするために形状が崩れやすいので、専用のお薬ケースなどを用意したほうが良いでしょう。効果があらわれる速さは錠剤と変わりません。
医師に相談しながらどの剤形がご自身の生活スタイルに合っているか見極めましょう。日替わりで全ての種類を試してどれにするか決めるのはお勧めできません。
上手な服用の方法
市販薬と同様にトリプタン系の薬剤も予防薬にはなりません。頭痛持ちのベテランの方は頭痛の前兆がわかる方も多くいらっしゃるようですが、前兆の時点でトリプタンを服用してもほとんど効果はないといって良いでしょう。
頭痛が始まりそれが風邪や脳卒中などの前兆ではなく、いつもの頭痛と判断したときに症状の軽いうちに服用すると最も効果が得られます。毎日のように服用していると徐々に効果が薄れて物足りなく感じるかもしれません。
しかし法定使用量は必ず守りましょう。症状が軽いときは少なめに、重いときは多めに服用するのも体調を悪化させる原因になります。
またほかにケガをして湿布を貼っているときや風邪薬を飲んだときなどは、一旦トリプタンの服用を中止したほうが良いでしょう。
湿布も皮ふから成分が体内に侵入していますし、いろいろな薬が交じるとどの薬の効果も得られないまま体調がどんどん悪化してしまいます。
元気なときでも服用しすぎてトリプタン系薬物使用障害を発症する恐れがありますし、決まりはきちんと守りましょう。
まとめ
トリプタンで頭痛が治る?万事解決するか
市販薬より有効か
種類の選び方
上手な服用の方法