「つらい椎間板ヘルニアを治療して楽になる方法!(前編)」では、薬物療法や神経ブロックについてご説明いたしました。後編では、 椎間板ヘルニア に対しての理学療法や手術療法などの 治療 法についてご説明いたします。
つらい椎間板ヘルニアを治療して楽になる方法!(後編)
理学療法
前編の方法で痛みが少し和らいだら以下の方法も加えて再発防止に乗り出します。ここから多岐にわたり、長期的にさまざまな治療法を選ぶことができます。個人差が大きくなります。
牽引は患部を引っ張って椎間板ヘルニア周辺の圧力を下げるという治療法です。間歇牽引と持続牽引の二つが一般的で、間歇牽引というのは体重に合わせて15~20分引っ張ります。
持続牽引というのは弱い力で持続的に引っ張り続ける治療法です。牽引の力や時間によってはかえって痛みを引き起こすので加減が重要です。
腰痛ベルトを着用して体重のかかり具合を補佐する、という方法もあります。患部にテーピングして筋肉を補強する考え方も同じです。
ここで気を付けなくてはならないのがサイズです。ただ締めればいいものではありません。自分のサイズに合わせ適切な締め方でなければ血行不良をきたして症状を悪化させかねません。
低周波を用いて症状を緩和させる方法です。電気刺激の一種です。これは病院でなくても整骨院でよく見かける治療機です。
温熱療法はホットパックやマイクロウェーブを用いて温め筋肉を和らげて神経の圧迫を下げるという方法です。
これは古代、日本ではビワの葉を煎じたり酒に漬けたりしたのを患部に置いて効果を出してきました。コンニャクを温めて使用したりもしました。温め続けるものがなかった時代の工夫です。
リハビリは神経周辺を刺激せずに動ける筋肉を養成する指導です。長期的には筋肉で患部を補強するのがベストですが結果を出すためには正しい方法で継続しなくてはなりません。
手術療法
椎間板ヘルニアが、これら全ての方法でも改善できず、日常生活も困難な場合、最期の治療として手術療法が視野に入ります。
まず手術の対象になるのは激痛で自力での生活が不可能、そして手術を患者本人が望んでいることです。
次に坐骨神経の支配する脚の部分に麻痺が起きた時です。脚の坐骨神経はお尻と脚の付け根から足の裏まで走っています。膝の裏から脛に走る神経も含みます。
最後に排尿・排便障害が起きた時です。この場合早く手術しないと重い神経障害を引き起こして回復の見込みがなくなるからです。
手術の方法は大きく分けて3つあります。まずは後方椎間板切除術。患部を背中から切開してヘルニアを切除します。切除する部分が大きくなければ問題ありませんが大きいと切除した周辺が脆弱になり新しいヘルニアができてしまいます。
それを避けるのが椎間板固定術です。切除時に患者本人の骨盤から骨を取って移植をしたりプレートやスクリューなどの金属で患部を固定する方法です。
切開や術後のトラブルを避けるために経皮的椎間板療法というのがあります。レーザー光線ではみ出した椎間板ヘルニアの部分に局部麻酔をかけて焼き切る方法です。
この方法では傷も薄く全身麻酔というハードルの高さもありません。術後の回復も早いので社会復帰もしやすいのがメリットです。
半面、ヘルニアが背中の奥にあるとレーザーが届きにくく、また大きいヘルニアでは焼き切れないというデメリットもあります。ヘルニアの位置、大きさに熟慮して採用されるべき方法といえましょう。
まとめ
つらい椎間板ヘルニアを治療して楽になる方法!(後編)
理学療法
手術療法