椎間板ヘルニア は、よく勘違いされている方がいらっしゃるようですが「怪我・負傷」による症状名ではなく、「病名」です。病気であれば 原因 も明らかにされやすいということですから、ふつうの腰痛とは少し違うかもしれないと思ったら一度病院へ足を運んで診てもらうと良いでしょう。
我慢しても自然に治るものではありませんし、早めの治療がいちばん楽をできます。
姿勢の悪さとは限らない椎間板ヘルニアの原因
さまざまな発症原因
まず「ヘルニア」の意味をおさらいしましょう。ヘルニアとは「突出した状態」のことを指します。従って椎間板ヘルニアは「椎間板が突出してしまった状態」ということになります。
椎間板は読んで字のごとく何となく想像がつくかと思いますが、腰椎(24こ)の間にあり緩衝クッションの役割をしています。正常な椎間板であれば、背骨にかかる負荷を軽くしてくれているのです。
ヘルニアになる原因は、姿勢、動作、元々の体質・骨の形(遺伝的なもの)、睡眠不足、過労、ストレス、加齢などが主にあげられます。
椎間板には、座ったり立ったまま前かがみになるといった日常的な姿勢や動作でも圧力(体重の2.5倍ほど)がかかると考えられています。こうしたことを繰り返しているうちに椎間板が変性し、ヘルニアを発症するのです。
また睡眠不足や過労、ストレスでなぜ? と思われるかもしれません。心身共に緊張しっ放しの状態が続くと、体内のリズム、調節機能も正常通りに働くことはできなくなります。
椎間板は弾力性のある組織なのですが、新陳代謝が不十分になると古いままの状態になり弾力性も失われていくのです。硬いクッションでは背骨の負担を減らすことは困難です。
「しびれ」の症状を訴える患者さんも多くいらっしゃいます。これは、すでにヘルニア状態の椎間板が脊髄の神経を圧迫していることによって起こります。神経のどの部分が圧迫されているかによってしびれの範囲は異なります。
予防と再発防止
ヘルニアに限らず、病気や怪我は睡眠中に最も治癒が進みます。一度つぶれた椎間板は大変危なっかしい状態です。治ったからといって睡眠時間を極端に減らしては元の木阿弥です。
また日常生活の腰への負担を減らすようにご自分なりに工夫することが不可欠です。
一つめは「姿勢」です。長時間同じ姿勢で座るのは避けましょう。柔らかいソファーも腰の負担を増します。お仕事や家事で前かがみになるときには、状況にもよるかと思われますが、できればひざをついて行うのが理想的です。
また、床に直接座る際には「あぐら」よりも「正座」や「横座り」のほうが良いのですが、宴席などではむずかしいでしょうし、極力ご自宅ではしないと決めると短時間で済むようになります。
二つめは「動作」です。モノを持ち上げるときに「ひねり」、「中腰」は厳禁です。腰を落として真っ直ぐご自身のほうへ引き寄せてから持ち上げましょう。
特に高い位置にあるものは踏み台などを使用して背中をそらさないように工夫が必要です。
からだの管理
姿勢や動作に気を配りつつ、筋力アップのためのストレッチをしたり体重の増加に気をつけましょう。背筋や腹筋を鍛えることで、腰周辺の筋肉をしなやかに強くし負担に耐えうる腰をつくります。
ストレッチで背筋や腹筋運動をするのはとても無理という方は、スイミングやヨガがお勧めです。少しお金がかかりますが、間食を減らすなどすれば捻出できかと思います。肥満の自覚がある方は、まずダイエットです。
言うまでもなく腰に負担をかけていますし、背骨のカーブも不自然さに必死で耐えている状態です。かなりのカロリーオーバーであれば、1日3食一汁一菜、間食なしにするだけでもみるみる体重が減ることでしょう。ストレッチをするのはその後の話です。
まとめ
姿勢の悪さとは限らない椎間板ヘルニアの原因
さまざまな発症原因
予防と再発防止
からだの管理