腰痛になって、これはもしかして椎間板ヘルニアか?と考える方は多くはないことでしょう。慢性的な腰痛持ちの方は、ますます症状が悪化したのかとあきらめの境地になるかもしれません。
椎間板ヘルニア は通常の腰痛とは異なる 症状 が発生しますので、ご自身に当てはまるかどうか、チェックしてみてください。
症状から見極める椎間板ヘルニア
初期症状でいかに危機感を持てるか
椎間板ヘルニアの初期症状の段階で病院へ行くことができれば、その後の治療や人生が変わると言っても過言ではありません。転んでかすり傷くらいで病院へ駆け込むのも考えものですが、楽観しすぎるのも命取りになることがあります。
①まずは腰痛です。痛みの程度は個人差があります。腰痛はほとんど感じず下肢の痛みやしびれのみというケースや、腰痛だけで痛みやしびれがない症例もあります。
②下肢の痛みやしびれ 神経症状として、多くは片方の下肢がしびれたり、電気が走ったような痛みを伴います。どの部分に痛みが出るかは、ヘルニアが腰椎のどの椎間板がヘルニアになるかによって変わってきます。
また複数が同時にヘルニアになったりヘルニアが巨大だったりすると、両方の下肢に症状が出ることもあります。
③下肢の筋力低下 神経の圧迫の症状が続くことによって、太ももやふくらはぎが痩せて細くなったりします。それに伴い、歩く力や足首を反らしたり踏ん張ったりする力も弱まります。
④腰の動きの悪化 お辞儀がしにくくなります。お仕事によっては致命的な症状です。症状が進行すると、お辞儀をすることも反対に反ることも非常に困難になります。
⑤排尿や排便の障がい ヘルニアの位置によっては、お手洗いに行くのが苦痛になるほど辛くなったり、排尿排便障がいを起こします。この場合は、緊急の外科手術を受けることになります。
セカンドオピニオンは必要か
椎間板ヘルニアに対する医師の認識はそれぞれです。特に手術を勧められた場合、この医師を信頼して良いのか、ほかの方法は本当に無いのかなど思い悩む患者さんは多いです。
手術の必要がないのに手術した、というニュースも珍しくありませんし、疑心暗鬼になることもあるでしょう。そのような状況から一度冷静になるために、セカンドオピニオンを検討してはいかがでしょうか。たった一人でもほかの医師の話を聞くことで、不安もやわらぎ冷静になることができます。
ただし、何人もの医師の意見を求めるあまりドクターショッピング状態に陥ることは避けましょう。医師も神様ではありませんし、いくら渡り歩いても100%理想の医師はまず存在しないと心得ましょう。
治療選択で失敗しない
①保存療法 手術をせずに治るのであれば、それに越したことはありません。
骨盤にベルトを引っ掛けて引っ張るけん引療法は、向き不向きの大きい治療です。ある程度の基礎体力も必要です。
患部の筋肉の緊張をとる温熱療法は、患者さんご自身は何も頑張らなくて良いのがメリットです。うたた寝しながら気楽に治療を受けられます。
消炎鎮痛薬を使用する治療は、ほかの薬の服用や持病をお持ちの方は受けられないこともあります。
②手術療法 症状の原因と思われるヘルニアを除去します。
従来法は、全身麻酔で5~6cmほど背中を切開して飛び出したヘルニアを切除していました。
しかし現在は、局所麻酔で6~7mm程度の切開から内視鏡と専用の手術器具を挿入して、ヘルニアを取り除く方法や、3mm程度の小切開で内視鏡を使用しヘルニアを取り除いた上で、ラジオ波と呼ばれる高周波で椎間板を焼き固める方法も一般的になりました。
保険診療外ではありますが、おからだへの負担が少なく、短期の入院で済むことを考慮すれば経済的です。
まとめ
症状から見極める椎間板ヘルニア
初期症状でいかに危機感を持てるか
セカンドオピニオンは必要か
治療選択で失敗しない