腰痛が持病になり、湿布を貼ったり整体にマッサージを受けに通ったりが習慣となっている方は多いことでしょう。湿布を貼ればつかの間の心地よさが広がり、整体で施術を受けている間と翌日くらいは痛みも治まり腰が軽いのかもしれません。
しかしあまりにもつらいと単なる腰痛ではなく、 椎間板症 の可能性もあります。
腰痛とは一味違う?椎間板症とは
椎間板の役割
腰痛は疲労や加齢、ストレスや栄養不足などが原因で腰そのものが痛みを発している状態ですが、椎間板症は椎間板がつぶれています。からだのなかの組織がつぶれているのですから、痛みやだる重さといった症状があらわれるのは当然です。
椎間板の中央部分にはゼラチン状の髄核があります。それを取り囲んでいるのが繊維輪という軟骨で、この弾力性によって主として背骨にかかる衝撃を吸収・分散しています。
背骨に衝撃を与えるような動作はしていないと思っていても、じっとしているときや少しからだを動かしたり首を回したりするときにも背骨に衝撃が走っています。
椎間板が正常なはたらきをしなくなると、クッションのない椅子に座り続ける以上につらい時間が慢性化します。はた目には腰痛も椎間板症も同じ動作にみえるものですが、ご本人にしてみればつらさは全く異なります。
腰痛がひどくて…という方は一度病院で検査をすると良いでしょう。
ほとんどの人に発症の可能性
椎間板症になりやすいのは女性よりも男性です。特に20~50代の方々です。仕事で腰に過剰な負担がかかったり疲労が蓄積されるためです。お年寄りのほうがつぶれやすいイメージがありますが、60代からは加齢によって椎間板が硬化してつぶれにくくなります。
硬化するということはクッションの役割を果たせていないということですから、腰痛になりやすいことに変わりはありません。仕事では座りっぱなし、立ちっぱなし、重いものの積み下ろしなどの作業を繰り返す職種で発症リスクが上がります。
前かがみや中腰の姿勢の負担はときどき腰を反らせたくらいでは相殺できません。またスポーツのしすぎもNGです。練習を真面目にするのは良いことですが、限度というものがあります。
頑張った分だけ結果がついてくるというのは、きちんと計画して休息も入れた場合の話です。そうかと言って、休みすぎて運動不足や肥満気味になってもいけません。適度の運動と体重で筋力や柔軟性を維持しなければ、腰を支えきれなくなります。
肥満であればダイエットも必要ですが、痩せすぎても筋肉が細く少なくなり腰に負担をかけます。体重の数値よりも動きやすさを重視して理想の体型を研究すると良いでしょう。
また身長の高い方は何かと腰を曲げる機会が多いので、腰痛になりやすくなります。身長を縮めることはできませんから、足を前後に開いて腰を落とすなどのちょっとした工夫が身を守ります。
そしてお煙草もよくありません。ニコチンの血管収縮作用で血流が滞り、椎間板に十分な栄養が届かなくなり老化が進行します。禁煙しましょう。
本気になれば予防できる
ふつうの腰痛ではないかもしれない、と感じたらまずは病院へ行きMRIやCT検査などで椎間板や髄核の変性の有無をみます。画像では判断できないことも多いので、医師に痛みの特徴や痛みが起きたきっかけなどを詳しく説明する準備をしておくと良いです。
治療をして改善しても、これまでと変わらない生活をしていてはあっという間に再発してしまいます。日常生活の積み重ねによって椎間板症を発症したのですから、姿勢や動作の矯正が必要です。
病院のリハビリテーションを利用しながら、ふだんも気をつけなければ意味がありません。
立っているときは左右のどちらかに偏って体重をかけているので、ご自身の癖を見極めて順番に体重をかけたり、上体反らしを1時間に1回くらいの頻度で2、3回行う、疲れにくい靴を履く、お風呂にゆっくり浸かるなど劇的な効果が期待できなさそうな一見遠回りなことの積み重ねが椎間板の再生と椎間板症の予防への近道なのです。
まとめ
腰痛とは一味違う?椎間板症とは
椎間板の役割
ほとんどの人に発症の可能性
本気になれば予防できる