「痛風の症状は3段階で進行する?知っておきたい痛風のこと(前編)」では、痛風とはどのような疾患であり、どのように進行するのかご紹介いたしました。後編では、 痛風の症状 をおこさないための対策方法をご紹介いたします。
痛風の症状は3段階で進行する?知っておきたい痛風のこと(後編)
自分でもできる痛風の発作をおこさないために血清尿酸値を維持する方法
辛い痛風の発作をおこさないためにも血清尿酸値を正常な値で維持することはとても大切です。ではどのようなことに気を付ければ血清尿酸値を正常に維持することができるのでしょうか。
血清尿酸値を維持するために気を付けたいことは肥満、アルコール、激しい運動、ストレス、遺伝の5つです。
高尿酸血症の方の約6割は肥満の方であると言われています。これは内臓脂肪が蓄えられるとアディポネクチンという物質の分泌量が減り血清尿酸値が上昇するためだと言われています。
さらに、アディポネクチンの分泌量が減ると脂肪の分解能力が減少し、さらにアディポネクチンの分泌量が減ってしまい、血清尿酸値があがるという悪循環に陥ります。
こうなってくると痛風発作が発症するまでは時間の問題となってしまうのです。
アルコールは摂取することで肝臓がプリン体を分解し、尿酸を生成する量を増やします。さらに、アルコールは腎臓の尿酸排出機能を低下させてしまいます。つまり、アルコールの摂取は尿酸の生成を加速し、尿酸の排出機能を低下させるという最悪の事態を引き起こしてしまうのです。
さらにビールに含まれるプリン体は尿酸の生成が加速し、排出機能が低下しているタイミングで摂取されるため、血清尿酸値の上昇を加速させてしまいます。
また、アルコールを摂取する際に食べるおつまみなどもプリン体を多く含む食材が多いため血清尿酸値に影響が与えやすく注意が必要です。
血液中の血清尿酸値を下げるためには運動をするのが効果的だと言われています。しかし、マラソンやサッカーなどのような激しい無酸素運動は体内のATPとエネルギー物質を分解し、プリン体を発生させてしまいます。
そのため、過度な運動はプリン体を多く生成し、血清尿酸値を上昇させる危険性があるため注意が必要です。
血清尿酸値を下げる際の運動は息を切らさない程度で行うジョギングやウォーキングといった有酸素運動を行うようにしましょう。
ストレスも血清尿酸値を上昇させる原因となります。ストレスを受けると腎機能が低下し、尿酸の排出能力が低下してしまいます。さらにストレスを受けている間はエネルギーの消費が多くなり、体内でプリン体を多く生成してしまいます。
ストレスを多く受けていると感じる際は十分な休養やストレスを受けやすい環境の改善を行うことが大切です。
痛風には生活習慣が要因となるほかに、遺伝的に元々血清尿酸値が高くなりやすいため発作がおこってしまうという方もいらっしゃいます。
こういった場合は親族に痛風を患っている方がいたり、若いころから血清尿酸値が高かったりする場合が多いため、遺伝的な可能性がある場合は医師と相談し適切な治療方法を指導していただくことが大切です。
まとめ
痛風の症状は3段階で進行する?知っておきたい痛風のこと(後編)
自分でもできる痛風の発作をおこさないために血清尿酸値を維持する方法