痛風の症状 といえばつま先の痛みや足の親指の付け根の痛みなどが一般的にはよく知られています。しかし、実は痛風には症状に合わせて3つの段階があり、初期症状であれば適切な治療を行うことで痛風の発作を抑えることができます。
痛風の段階別の症状を知り、早い段階から痛風予防に努めましょう。
痛風の症状は3段階で進行する?知っておきたい痛風のこと(前編)
そもそも痛風ってどんな病気?痛風になる原因とは
痛風は血液中に老廃物の一種である尿酸が増えすぎることで結晶化し、関節に蓄積されることで関節に激痛が走る病気です。通常であれば尿酸は腎臓によって濾過され体外へと排出されます。
しかし、なんらかの理由で尿酸がたくさん作られてしまう、腎臓の機能が低下して尿酸の排出がうまくできないなどのことがおこると尿酸が血液中に溶け出てしまいます。そして、血液中に溶けきらなかった尿酸は結晶化し、関節に蓄積されていきます。
そして、この関節に蓄積された尿酸の結晶が剥がれた時に白血球がこれを異物と判断し、攻撃することで痛みがおこります。尿酸が蓄積されてくるとその部分は赤く腫れあがり炎症をおこした状態になります。
足の親指の付け根部分の関節に痛風の症状が多くみられる理由については、足は心臓からもっとも遠い位置にあるため、血流が滞りやすく、足の親指の付け根部分に位置している関節が大きいため結晶化した尿酸が付着しやすいといわれています。
そのため、痛風の症状は足ばかりにおこるわけではなく、肘や手の指などにもおこることがあるので、足が痛くないからと油断をするのは禁物です。
関節が炎症をおこす、激痛が走るなどの症状は痛風の症状としてよく知られています。
しかし、痛風には痛みや炎症がおこる前段階の「無症候性高尿酸血症期」と稀に痛みを感じることがある「急性痛風発作期」痛みが頻発し、痛風結節と呼ばれる肉芽腫があらわれる「慢性結節性痛風期」の3段階の症状があることはあまり知られてはいません。
そして、痛風治療では痛みや炎症がおこる前段階の無症候性高尿酸血症期に治療をすることがもっとも重要だと言われています。
痛風治療は早期発見が重要!痛風の第一段階、無症候性高尿酸血症期とは
痛風の前段階として、高尿酸血症と呼ばれる血液中の尿酸の値である血清尿酸値とよばれる値が高い状態があります。通常であれば血清尿酸値は7.0mg/dl程度ですが、これを超えると血液中に尿酸の結晶である尿酸塩結晶が多く生成されやすくなり、関節に付着しやすくなります。
高尿酸血症の段階で治療をすることができれば、その後の急性痛風発作期や慢性結節性痛風期などの痛風の発作が起こる段階へ進むことを防ぐことができます。
血清尿酸値は主に健康診断などで行われる血液検査などで知ることが可能です。健康診断で血清尿酸値が高いとわかった場合は食生活の改善や適度な運動などを行い尿酸値を一定の適正値に保つことが大切です。
また、高尿酸血症と診断された場合は薬物治療を行うことも可能なため、専門医と相談し適切な治療方法を決めることが大切です。
適切な尿酸値を保つことができれば、尿酸が結晶化することはないため、激痛がおこることはなく、痛風の発作で苦しむことを阻止することができます。
まとめ
痛風の症状は3段階で進行する?知っておきたい痛風のこと(前編)
そもそも痛風ってどんな病気?痛風になる原因とは
痛風治療は早期発見が重要!痛風の第一段階、無症候性高尿酸血症期とは