日常生活においてふとした拍子に突然走る腰の激痛。普段感じているような腰痛とは全く別物の 歩けない ほどの 腰痛 は“急性腰痛症”といわれます。
この急性腰痛症はどのような原因で生じているのでしょうか。また、その対処法はどうすればよいのでしょうか。
腰痛がひどくて歩けない。ギックリ腰の対処法とは。
急性腰痛症とは
急性腰痛症は普段のなにげない動きによって誘発される腰部の激痛であり、一般的には“ギックリ腰”と呼ばれています。このギックリ腰というのは俗称であるため、病院では“腰椎捻挫”や“筋筋膜性腰痛症”などの診断名がつけられます。
急性腰痛症は腰をひねった際に急激に起こることが多く、他にも前屈みになって重い荷物を持ち上げた際や長時間同じ姿勢をとってから動き出した際などにも生じます。誰にでも起こりうる疾患であり、激しい痛みから発症直後は歩いて病院に向かうことも困難となります。
このような突然の痛みの原因としては,身体を支えている脊椎の椎間関節内への滑膜嵌入が原因であることが多いと考えられています。しかし、その他にも椎間板ヘルニアや脊柱感狭窄症、腰椎すべり症などの様々な原因疾患が考えられます。
また、場合によっては内臓疾患が起因となっていることもあります。非常に激しい痛みを伴い、全く歩けないことも多い急性腰痛症ですが、痛みが和らいだら整形外科を受診し、医師の診察を受けましょう。
急性腰痛症は上記のような整形疾患や運動・労働による筋肉疲労、加齢や運動不足、姿勢の悪さや心理的なストレスが絡み合って生じます。
ギックリ腰という名前の由来
急性腰痛症は日本ではギックリ腰と呼ばれています。これは不意をつかれて驚く様子である“ギックリ”からきているといわれています。ギックリ腰は不意に動いた拍子に激痛が生じることから、このような呼び名となったのでしょう。
ちなみにこのギックリ腰はドイツ語では“魔女の一撃”という意味である“Hexenschuss(ヘキセンシュス)”と呼ばれています。これは前ぶれなく突然激痛が走ることが由来となっているようです。
なお、英語では“Acute Low Back Pain”となります。“急な背中の下部の痛み”と訳されます。
急性腰痛症の応急処置
さて、では実際に急性腰痛症になった際にはどうすればよいのでしょうか。
急性腰痛症になった時の一番の対処法は、まず安静にすることです。腰に負担のかからない姿勢として“仰向け”か“横向き”に寝ましょう。仰向けになる際には膝の下に枕などを敷き、横向きになるときには背中を少し丸めておきます。
こうすることで筋肉の緊張が和らぎ、腰への負担が軽減されます。布団が柔らかすぎる場合には、逆に腰に負担がかかってしまうため避けた方がいいでしょう。
すぐに横になれない場所であれば、背中を丸めて座るのも良いでしょう。壁のようにもたれかかることのできる場所があるのであれば、三角座りになって腰を壁に押し付けながら背中を丸めましょう。
また、氷やアイスノンで腰を冷やすことも有効です。激しい痛みが生じているということは、腰に炎症が生じている状態であるため、アイシングは効果的です。反対に、温めることは炎症を促進してしまうことになります。
ただし、これらの対処法はあくまでも応急処置です。痛みが治まって動けるようになってきたら、整形外科を受診するのがよいでしょう。
急性腰痛症は普段からのケアによってその発症を予防することができます。定期的な運動により運動不足を解消し、ストレッチやマッサージで筋肉のコンディションを整えましょう。
まとめ
腰痛がひどくて歩けない。ギックリ腰の対処法とは。
急性腰痛症とは
ギックリ腰という名前の由来
急性腰痛症の応急処置