腰痛と便秘、どちらも多くの人が日常生活において悩みを抱えています。実は一見無関係にみえる便秘と腰痛はお互いに影響し合っています。
腰痛が便秘に与える影響、 便秘 が 腰痛 に与える影響とは一体何なのでしょうか。
実は無関係じゃなかった?腰痛と便秘の意外な関連
腰痛と便秘の共通点
実は腰痛と便秘の原因にはいくつか共通する点があります。
例えば、運動不足は腰の筋肉を衰えさせ、腰痛発症のリスクを高めます。同様に運動不足によって腸の蠕動運動が低下し、便秘が起こりやすくなってしまいます。デスクワークなどで長時間同じ姿勢のまま動かないことも同様に腰痛と便秘の可能性を高めます。
また、前屈みの姿勢、いわゆる猫背は腰の筋肉の負担を増加させることで腰痛の原因となるだけでなく、内蔵を圧迫することで腸内環境を悪化し、便秘を引き起こします。
その他にも睡眠不足や過度のストレスなど、腰痛と便秘にはその発症原因が共通しています。このことから、腰痛がおきやすい人と便秘になりやすい人というのは密接に関連していることがわかります。
便秘の悪化が引き起こす腰痛
さらに、腰痛と便秘は原因が共通しているだけではありません。便秘の悪化が腰痛の発症につながるのです。
腸の圧迫による血行不良
便秘になると腸内に便が溜まり、腸が膨らんでいきます。この膨らんだ腸によって血管や神経が圧迫されることで、筋肉への血流が阻害されます。この血行不良により、腰部の筋肉への酸素が十分に行き渡らなくなり、腰痛を引き起こします。
腐敗ガスの圧迫による腰痛
便秘になることで腸に溜まった便からアンモニアや硫化化合物などの有害物質が生成されます。この有害物質は腸壁から血液内へと吸収され、血液を汚染します。汚染された血液が腰へと達した際には、これが腰痛の原因となります。
腰痛が引き起こす便秘
反対に、腰痛が引き金となって便秘が生じることもあります。
腸腰筋性腰痛
腸腰筋は腰椎と大腿骨の近位部をつないでいる、骨盤内に走っている筋肉です。この腸腰筋が短縮することで、腰椎が前方に引っ張られ、腰椎の形が悪くなります。これによって、それを支える腰の筋肉に負担がかかり、腰痛を引き起こすのが“腸腰筋性腰痛”です。
同時に腸腰筋が硬く短縮してしまうことで、腸腰筋の前方に位置する腸が圧迫されます。これによって腸の蠕動運動が阻害され、便秘を引き起こしてしまいます。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎と腰椎の間にある“椎間板”は骨に加わる衝撃を吸収するクッションの働きをしています。この椎間板が何らかの理由によって外に飛び出し、神経を圧迫しているのが“椎間板ヘルニア”です。椎間板ヘルニアが腰部で生じると、腰の神経を圧迫し、腰痛を引き起こします。
このとき、腰の神経圧迫によって同時に排便や排尿障害が生じることがあります。そのため、腰椎椎間板ヘルニアは腰痛に加えて、便秘を引き起こすことも少なくありません。
腰痛と便秘の解消方法
このように、腰痛と便秘は密接に関連し、便秘が腰痛を引き起こすことがあれば、反対に腰痛が便秘を引き起こすこともあります。
その対処法としては便秘自体への治療法や腰痛自体への治療法など、さまざまな対応が考えられます。しかし、その種々の対処法の中でも“運動”はやはり効果的でしょう。
運動は腸内の血行改善、腸の蠕動運動の改善を促し、便秘の解消に有効です。また、運動によって腰部の筋肉が適度にほぐされ、筋血流を改善させます。運動不足は便秘、腰痛に共通した原因であるため、その直接的な解消にもなります。
また、運動はストレスを解消させるため、ストレスが原因となる便秘や腰痛も生じにくくなります。このように運動は、腰痛と便秘、その原因まで解決してくれる優れた対象法でしょう。
まとめ
実は無関係じゃなかった?腰痛と便秘の意外な関連
腰痛と便秘の共通点
便秘の悪化が引き起こす腰痛
腰痛が引き起こす便秘
腰痛と便秘の解消方法