みなさんは 腰痛 と 下痢 の症状がほぼ同時に出た場合、どのように判断されていますか?腰痛と下痢の直接的な関係は未だに解明されていませんが、全くの無関係でもないのです。
症状によっては一刻の猶予もない場合もありますので、用心をお心がけください。
腰痛と下痢の関係性
病気の可能性
腰と腸は近い位置にあるため、内蔵疾患の初期症状である可能性はあります。最も考えられるのは、大腸がんです。下痢や便秘、腹痛や血便、下血、強い便意などが繰り返し長く続いたら、まずは病院へ行きましょう。
出血などしたら何らかの疾患であることは間違いありませんから、少し様子を見てみようなどと先延ばしにせずに病院へ駆け込みましょう。血便や下血での鮮血が多いほど、直腸がんや直腸側でのポリープの発生の疑いが強まります。
しかし、盲腸側の結腸ではお腹の深い部分であるため、わかりやすい初期症状が出にくくなります。この部分はポリープができても腸の内径が大きいので、便通はまだ正常に近いまま疾患が進行してしまう危うさがあります。
次に腰痛ですが、主に直腸がんの場合によくみられる症状です。腰の痛みを自覚し始めた頃には、初期症状の後半期と認識してください。ガンの進行はかなり進んだ段階にあります。この段階で最悪の事態を想定する必要はありません。
むずかしいことですが現実を受け止めて、それなりの覚悟をもって病院へ足を運んでください。
冷え性の可能性
冷え性は特に女性に多いといわれていますが、近年は老若男女を問わずお腹が冷えてしまっている方が増えているようです。冷え性になると血液の循環が悪くなるため、筋肉や細胞内に疲労物質が溜まりやすい状態になります。
したがってぎっくり腰などの急性腰痛や、筋肉の緊張が続くことによって慢性的な腰痛が起こりやすくなります。また、冷えると腸の活動が低下(ぜん動運動の活発化)し、消化不良を起こしてその結果の下痢ということになります。
「ぜん動運動」は、聞き覚えのある方も少なくないと思います。具体的には、腸の筋肉が波打つような動きをして腸の筋肉が収縮し、食べ物や飲み物、異物など取り入れたものを食道から直腸(肛門~排便)に配送する大切な運動のことです。
ぜん動運動は自律神経が大きく関係しているので、複式呼吸のようにご自身の意識的努力によって活発化させるのはむずかしいといわれています。胃や腸などの消化器は自律神経によってコントロールされていますが、冷えやストレスなどの影響で自律神経のはたらきが乱れるとぜん動運動が活発になりすぎるのです。
「冷えやストレス」と前述しましたが、からだにとっては冷えもストレスの一つといえます。ですから、からだを思いやり冷えにくい体質を作り上げる必要があります。取り組むべき一つは、食生活の改善です。冷たい飲み物や食べ物を控えめに、もしくは一気に流し込むのは止めたほうが身のためです。
また、お野菜にはからだを冷やす効能を持つものもあります。トマトやキュウリなどもそうですが、近年は一年中食べられるようになったことも冷え性が増えた一因と考えられます。熱すぎる食べ物も食道がんなどを引き起こすといわれていますので、冷たすぎず熱すぎない食べ物を意識して摂取すると良いでしょう。
二つめは、適度な運動習慣をつくることです。たとえ軽いウォーキングであっても続ければ基礎代謝が上がり、筋肉も鍛えられて腰痛の改善も期待できます。そのほか、体質やお好みによりますが漢方薬や湯たんぽ、腹巻きなどを補助的に使用するのも良いでしょう。
いちばん大切なことは、長期的に継続することです。短気を起こさずに取り組みましょう。
背骨の歪みの可能性
姿勢の悪さは万病の元です。背骨の歪みが腰痛や下痢を引き起こしている可能性は十分考えられます。猫背、長時間の横座り、足を組む癖をお持ちの方は冷え性対策と併せてこちらも改善する必要があります。始めたときは半分終わったも同然です。頑張りましょう。
まとめ
腰痛と下痢の関係性
病気の可能性
冷え性の可能性
背骨の歪みの可能性