腰痛をお持ちのみなさんは、この痛みは座りっぱなしや姿勢の悪さによるご自身の生活習慣のツケなのだとあきらめて折り合いをつけようと思っていらっしゃいませんか。
慢性的な 腰痛 は、実は 腎臓 の病気のシグナルである疑いもあります。少しでも違和感を覚えたら、早めに病院へ行くことを強くお勧めします。
治らない腰痛の原因は腎臓にある可能性
腎臓のはたらき
肝臓と同様に重要な臓器です。血液をろ過し、余分な老廃物や塩分を取り除くという重要な役割を担っています。腎臓は腰痛が起こりやすい腰の左右の背中側に位置しています。したがって異常が出るとちょうど腰の周辺に痛みを感じ、腰痛だと認識してしまうのです。
腎臓のろ過機能は糸球体(腎臓の皮質にある毛細血管が糸玉のように球状に集まったもの)で行われていますが、その糸球体は損傷しても再生しないため、機能不全や損傷した場合はカリウムや塩分の制限、そして人口透析が必要になります。
人工透析は、よく中高年の男性が通院しているイメージがありますが、女性の患者さんも増加してきています。おそらく、腎臓に負荷を与える塩分摂取量が多い場合、女性のほうが負荷がかかりやすく知らない間にも腎臓にダメージを与えているためと考えられます。
腰痛を引き起こす腎臓の病気
急性腎不全
原因は、腎臓自体を侵す病気、腎臓への血液の供給量が減少する、尿路のどこかで尿の流れが妨げられるといったものがあります。ほとんどの場合、原因は特定できません。
しかし治療によりかなりの程度まで回復しますので、絶望することはありません。医師の言うことを守り、真面目に通院することが何よりです。
慢性腎不全
腎臓の機能が低下して正常に働かなくなった状態です。現在のところ、有効な治療法はありません。進行して末期腎不全に至ると腎臓の機能が極端に低下して、このままではふつうの日常生活を送ることが困難になるのは問題で、人工透析か腎臓移植が必要になります。
治療を終え、退院した後も自宅で食事療法を続けなくてはなりません。たんぱく質や甘いお菓子、食塩を控える必要があり、味気なくストレスが溜まるかもしれませんが、低カロリーで薄味でも美味しいものはたくさんあります。食事を楽しむ気持ちをわすれないでください。
腎臓結石
尿路結石に比べ、痛みは少ないようです。腰背部に鈍いような痛みや重苦しさがある程度です。人間ドッグなどでX線により偶然結石が発見されることもあります。自然排石か、ESWL(体外衝撃破砕石術)もしくは内視鏡治療を受けます。
腎臓をチェックする
今すぐお一人でできるチェック方法をご紹介します。
①顔や足がむくんでいる。②血圧がかなり高い。③横になって休んでも痛みが取れない。④軽くジャンプして着地したときに、腰の深部から痛みがある。⑤前屈したり腰を回したりしたときに痛みが出ない、出にくい。以上のような症状がある場合は、腎機能の低下が疑われます。
腎臓は繊細な臓器で、一度悪化するとなかなか治りません。様子見せずに、早めに病院へ向かうのがいちばんです。
放置は身を滅ぼす
腎臓の病気は、悪化すると脳卒中、心筋梗塞・脳卒中などを引き起こす可能性が大きくなります。しつこいようですが、悪化する前に治療を受けましょう。
最初に内科、泌尿科の門を叩きます。先延ばしにしても良いことは一つもありません。早めに病院へ行けば、軽い機能低下の場合は人工透析のお世話にならずに済む確率が上がります。
食生活や運動によって改善できるからです。具体的には、水分をしっかり摂るようにします。麦茶やコーヒーなどで利尿作用を即すのです。塩分控えめの薄味の食事にして、カップラーメンなどのリンを多く含む加工食品も控えましょう。
いわし、シジミ、とり肉などの良質なタンパク質も欠かせませんが、摂り過ぎは禁物です。塩分でもタンパク質も水分も、何であれほどほどに摂っていればからだが悲鳴を上げることは滅多にありません。
まとめ
治らない腰痛の原因は腎臓にある可能性
腎臓のはたらき
腰痛を引き起こす腎臓の病気
腎臓をチェックする
放置は身を滅ぼす