腰痛と股関節痛は一見関連がなさそうに思われますが、実は深く関係している場合があります。整形外科でX線やMRIで腰に異常が見当たらない場合の腰痛は、実は股関節に原因があるのかもしれません。
あなたは 腰痛 と 股関節痛 の2つの症状に悩んでいませんか?
腰痛の原因は股関節?腰痛と股関節痛は深く関係していた
股関節と腰痛の関係
股関節は人体のなかで最も大きな関節であり、肩関節や手の親指の関節と同様に広い関節可動域を持ちます。また、上半身の重量を支える役割を持つ重要な部位であり、その分負担を受けやすい関節です。
股関節への継続した負担は、股関節を構成する大腿骨骨頭と骨盤に存在する関節軟骨にも影響を与え、次第に上半身の重量を上手く受けきることができなくなってしまいます。その状態になると関節軟骨が徐々に擦り減っていき、痛みが発生するのです。
股関節に痛みが発生すると歩行に影響が出やすく、多くの人は痛みが出ないよう無意識に姿勢を修正します。その修正により今まで保たれてきた身体のバランスが崩れ、筋肉や関節に偏った力や緊張が加わり、腰痛を発症しやすい状態になってしまうのです。
股関節に異常があるかを見分ける方法
腰痛と股関節痛を発症していても股関節に原因があると確定するわけではありません。腰に原因がある場合でも股関節痛を発症することがあるのです。そのため、腰痛と股関節痛が同時に発症している場合は、腰と股関節のどちらに原因があるのかを調べる必要があります。
股関節の異常の有無を自身で調べる方法の1つとして、パトリックテストという検査法があります。パトリックテストはまず仰向けの状態で行います。その状態で片側の膝を90度に曲げ、脚を組むようにもう片側の膝に曲げた側の足首を乗せます。
次に、曲げた側の足と床が水平になるように足を横に倒していきます。この時、膝を曲げた側の足と床が水平になるようでしたら股関節に異常はありません。
異常がある場合、股関節の痛みでこの動作を行うことができません。この場合はパトリックテスト陽性となります。自宅でも手軽に行うことができるため、股関節に痛みがあるようならば自身でチェックしてみましょう。
パトリックテストが陽性の場合に考えられるケース
パトリックテストが陽性の場合、考えられるケースが2つあります。
1つ目は臼蓋形成不全という病気です。臼蓋形成不全とは、股関節を構成する大腿骨骨頭と骨盤のうち、骨盤に問題がある病気です。大腿骨骨頭を覆うように骨盤は作られているのですが、この覆う部分の骨が正常の骨と比べ少ないことが特徴です。
先天性の病気ではありますが、若年層では症状は現れにくく、歳月と共に徐々に痛みが発生し関節の可動域が狭まっていきます。放っておくと変形性股関節症に移行し、日常生活に支障をきたす恐れもあるため、症状を進行させないためにも痛みが発生する動作に注意する必要があります。
悪い姿勢でもパトリックテスト陽性になる
2つ目は何らかの影響で股関節周囲の筋肉に炎症が発生している場合です。過度な運動による炎症や急激な動作によっても起こり得ますが、日常生活で股関節周囲の炎症を引き起こす根幹となる原因は姿勢にあります。特に猫背気味の姿勢では股関節に影響が発生しやすいです。
猫背は骨盤が後ろに傾きがちになり、大腿骨骨頭と骨盤の位置関係に歪みが生じます。すると上半身の重みを支える部位が偏ってしまい、部分的に過度な負担を受けることになります。その結果、関節の軟骨が徐々に擦り減っていき炎症が引き起こされ股関節痛が発生します。
猫背の問題点は股関節だけではなく、様々な症状の原因となり得ます。腰痛はもちろん、肩こりや首の痛み、さらには消化器などの内臓にも影響を及ぼす恐れがあるのです。
姿勢は意識するだけでも改善に繋がります。腰痛や股関節痛に繋がる前に、早めに対処することが予防となるのです。
まとめ
腰痛の原因は股関節?腰痛と股関節痛は深く関係していた
股関節と腰痛の関係
股関節に異常があるかを見分ける方法
パトリックテストが陽性の場合に考えられるケース
悪い姿勢でもパトリックテスト陽性になる