椅子に座るときに、クッションをひとつお尻の下に挟むだけで腰の痛みがずいぶんと緩和されることがあります。そんな発端から進化した 腰痛用 の クッション は、痛みの緩和だけでなく、背骨や骨盤の矯正までも促すような商品も開発され、もはや腰痛対策に欠かせないグッズとなっています。
腰痛への衝撃を和らげるクッションの重要性
腰痛のさまざまな要因
これほど腰痛を訴える方が多い国というのは他に例をみないそうです。もともと畳の部屋で正座をする文化であったということが、どれだけ腰痛発症率に影響しているのかはわかりません。
またストレスに起因することもあると言いますから、がまん強い国民性も影響しているのかも知れません。
先天的に背骨の歪みや骨盤のズレによる腰痛をお持ちの方もいますし、何でもない生活習慣やクセが、無意識のうちに腰や骨盤に負担をかけてしまっている場合も多くあります。
加齢と共に筋力が衰えていくと、腰痛を訴える方は飛躍的に多くなります。パソコンに向かうことの増えた昨今では、長時間椅子に座りっぱなしという事は珍しい事ではありません。
腰痛は、あらゆる些細な要因からごく日常的に発症してしまいます。完全に防ぐという事はなかなか難しく、治療に関してもどちらかというと対処療法になります。そのため、どう付き合っていくか?どうやって痛みを緩和させるか?ということが大切になってきます。
正しい姿勢とクッションの必要性
背筋をぴんと伸ばして立っている姿勢というのは、横から見ると背骨がゆるやかな逆S字カーブを描いています。この逆S字によって上半身の荷重は拡散され、関節や靭帯、あるいは筋肉によって支えられることになります。
ところが日常の動作というのは常に左右均等に身体を動かすわけでもなく、加齢と共に筋力も衰えていきます。筋力の衰えに伴い、周囲の筋肉が背骨を支えきれなくなり、逆S字の形状にゆるみが出てきてしまいます。そして腰椎がずれたり、周囲に炎症が起こることによって腰痛を発症することになるのです。
身体の好い姿勢を保つために最も重要な役割を占めているのが、腸腰筋という筋肉です。腸腰筋は骨盤と足の付け根を結ぶ筋肉である腸骨筋と、背骨と両足の付け根を結ぶ大腰筋からなります。
これらの筋肉を特に意識することによって良い姿勢を保つことができ、腰への負担をいっそう軽くすることが可能になります。
ところが長いデスクワークや、ドライブの最中、ずっと意識し続けるのはそう簡単な事ではありません。さらに利き腕ばかりを使用するものですから、左右のバランスを保つことも困難なのです。
そこで背骨の逆S字形に沿うような背当てのクッションや、お尻の下に敷く衝撃吸収を兼ねたクッションなどによる対策が必要になってきます。
多様なクッション
避けられないデスクワークや、長時間ドライブによる腰痛への負担を軽くするために、様々なクッションが開発されています。
これらのクッションは軽く携行に便利で、痛みを軽減させるだけでなく、腰に負担の無い正しい姿勢を維持できるように作られているものも多く、クッションを使用することで、腰痛治療になるものも少なくありません。
馬具をヒントにしたという立体局面構造で、骨盤がすっぽり収まることによって腰から肩・首に至るまでの痛みを緩和するように考案されたクッションもあります。
磁石を内包し、磁力により血行を促進し、コリや痛みを緩和させるクッションもあります。
座るだけで、骨盤のゆがみを矯正し正しい姿勢を維持できるというクッションは、ダイエット効果もあるということで女性に人気があります。正しい姿勢を維持することがすなわち美しいボディラインを保つことでもあるというわけです。
クッション以外のケア
クッションを使用することで、痛みは緩和され、一時的にせよ姿勢も矯正されますが、腰痛が治るというわけではありません。普段から姿勢や動作に留意することが大切です。
意識して利き腕でない腕を使ったり、階段を上るときにいつもと逆の足から踏み出してみたり、左右の機能を出来るだけバランスよく使うことによって姿勢も矯正され、腰への負担も軽くなります。
ウォーキングによる足腰の筋肉強化や、腰痛体操などを継続していくことによって身体の調子を整えていきましょう。
まとめ
腰痛への衝撃を和らげるクッションの重要性
腰痛のさまざまな要因
正しい姿勢とクッションの必要性
多様なクッション
クッション以外のケア