日本人の多くがその悩みを訴える腰痛。パソコンの普及などによるデスクワークによって、現代人は特に腰痛を起こしやすいとされています。
では、この 腰痛 が 右側 だけに起こることがあるのは何故なのでしょうか。右側だけに偏った腰痛、その原因を考えてみましょう。
右側だけが痛い。偏った腰痛の原因は?
腰の右側だけ痛む原因
腰痛が右側のみに生じている場合、いくつかの原因が考えられます。
この痛みの原因について、筋肉が原因の痛み、神経圧迫が原因の痛み、内蔵が原因の痛みの3つに分けて考えていきましょう。
筋肉が原因の痛み
腰痛の原因として、一番多いのは筋肉が凝り固まってしまうことによる痛みです。
腰の筋肉は基本的に左右対称に同じように付いていますが、普段の生活の中で右側のみを使いすぎてしまうと、右側のみに腰痛が起こります。日常生活において、右側の腰ばかりに負担がかかる動作がないか考えてみましょう。
もちろん、人には利き手があるように、基本的に左右対称な動作は行っていないことがほとんどです。しかし、例えば机の上の物の配置が右側ばかりに偏っているなど、工夫次第で改善可能な動きも多いのも事実です。
また、普段の生活の癖などが原因で、そもそも身体の左右のバランスが崩れている場合も多いです。よく足を組む人や、いつも同じ向きを向いて寝ている人などは特にバランスが崩れやすいです。
神経圧迫が原因の痛み
また、神経の圧迫が原因で腰痛が生じている場合もあります。
具体的には、腰椎椎間板ヘルニアや腰椎脊柱管狭窄症などの病名が挙げられます。腰椎椎間板ヘルニアは脊柱における椎骨と椎骨の間にある椎間板が飛び出してしまい神経を圧迫してしまった状態です。
一方、腰椎脊柱管狭窄症は脊柱の中の脊髄が通る空間である脊柱管が何らかの原因で狭くなってしまった病態であり、これも神経の圧迫を引き起こします。
これらの疾患による神経圧迫の症状は左右対称に出るとは限りません。右の腰と左の腰、それぞれを司る神経は別物です。そのため、右側の腰を支配する神経が圧迫された場合には右側の腰のみに痛みが出てきます。
内蔵が原因の痛み
最後は内蔵が原因となった痛みです。
右側だけの腰痛として考えられるのは、まず虫垂炎です。急性虫垂炎は一般に盲腸とも言われており、右の腰付近や下腹部に痛みが出てきます。この場合は、痛みとともに発熱や嘔吐、腹痛などの症状も現れます。
また、遊走腎という、腎臓が下に下がってしまった病態も右の腰痛を引き起こすことがあります。これは腎筋膜が弱いために腎臓が下垂することが原因であるため、立っているときなど身体を起こした状態で痛みが現れます。そのため、横になることで痛みがなくなります。
腎臓は左右両方にありますが、肝臓との位置関係から、右の腎臓に生じやすいとされています。遊走腎は痩せいていて体脂肪が少ない人に起きやすい病態です。
痛みの原因を考える
このように、様々な原因によって右側の腰痛は生じる可能性があります。右側のみに腰痛を感じる場合、何が原因になっているのか考えてみましょう。
まずはどういう時に痛みが生じているのか、ということです。腰をひねった時や前屈みになった時、といった動作時に痛みが出る場合には筋肉や神経圧迫が原因となっている場合は多いです。
動作によって内蔵が圧迫されたりする場合もありますが、基本的には運動時に痛みが出る場合は筋肉や神経が原因だと考えられます。
また、反対に安静時から疼痛が生じる場合は内蔵が原因であることが考えられます。
次は、直接患部を圧迫してみましょう。圧迫によって痛みが強くなるようであれば、内蔵による痛みや、筋肉が凝り固まったことによる痛みである可能性が高いです。
神経圧迫が原因であれば圧迫による疼痛は生じにくいです。反対に、痛みだけでなく、足のしびれなどの症状もある場合には、神経圧迫を疑った方が良いでしょう。
まとめ
右側だけが痛い。偏った腰痛の原因は?
腰の右側だけ痛む原因
筋肉が原因の痛み
神経圧迫が原因の痛み
内蔵が原因の痛み
痛みの原因を考える