なかなか治らないと言われる腰痛ですが、その理由として原因を特定しにくいということが挙げられます。筋肉痛、関節痛の他に、内臓疾患によっても腰痛が引き起こされることは、あまり知られていないことです。この 内臓 系の病気を原因とする 腰痛 についてご案内します。
腰痛の原因が内臓疾患による場合
筋肉痛や関節痛以外の腰痛
腰(こし)とは身体の要です。腰は生命活動における運動のあらゆる負担を強いられています。重い上半身のバランスを一手に引き受けているために、疲労しやすく痛めやすい部位です。腸や胃、泌尿器など身体の重要な器官の集まるところでもあります。
したがって腰痛と言っても、単純な筋肉痛や関節の損傷から、これらの内臓器官の疾患による症状である場合や、いくつかの要因が複合的に絡み合って引き起こされる場合もあるのです。
内臓疾患による腰痛の見分け方
内臓疾患を要因とする腰痛の可能性を探るいくつかの方法をご案内します。たとえば動作や運動、体操などによって腰の痛みを感じる場合には、筋肉痛による腰痛と思っても差し支えありません。
横向きで寝て安静にしている場合、何をどうやっても、まったく動かなくても腰の痛みがずっと続くようであれば、何らかの内臓疾患の可能性があります。早めに医師の診断を受けましょう。
ちなみに座っているときは、すでに腰に負担が掛かっているので、判断する姿勢としては不十分と言えます。また、横向きの楽な姿勢であったとしても、あまりに長時間続けていると、腰に負担が掛かってきます。
また、お腹の特定の部分を押してみたときに、腰痛や胃の痛みが解消されるようなら、内臓の機能が低下している可能性も否定できません。内臓関係の疾患による腰痛は、動きや体位に関係なく痛みが続くことが特徴です。
腰痛を引き起こす疾患のいろいろ
風邪やインフルエンザの症状として、関節が痛み、腰痛に見舞われることもあります。また、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などが重症化してくると、炎症が拡がり腰部の神経を刺激し、腰痛を発症することもあります。
妊娠中の女性が、骨盤が割れるような痛みに襲われるのは、陣痛の症状です。健やかな胎児が出産を待ちわびている様子なのです。
また、 胆石症、胆道結石、胆嚢炎、尿路結石、膀胱ガン、子宮筋腫、子宮ガンなどの病気によって、腰痛を引き起こすこともあります。これらの病気による腰痛は、いずれも炎症、腫瘍が進行し悪化した結果、腰部の神経に影響をおよぼすためと考えられます。
生死にかかわる病気も多くあります。悪化する前の対処が望ましいのですが、身体の中の異常に気付くのは簡単なことではありません。腰痛という症状が、せめてもの危険を知らせる信号ということになります。
腰痛の症状が長く続くときや、他の部位の痛みに伴う腰痛、発熱や腹痛を伴う腰痛の場合には、すぐに医師の診断を受けましょう。腰はつねに身体のかなめとして、腰痛という症状によって様々な危険信号を報せてくれているのです。
対策と予防
内臓疾患による腰痛の症状は、間違いなく危険信号としてとらえられます。ですから腰痛への対処というよりは、その根本原因である疾患を治療していくことが最優先課題です。原因を突き止めるためには、さかのぼって思い当たることをひとつひとつ挙げていかなければなりません。
内臓の酷使による疲れ、刺激物の多食などにより、炎症が起こる場合もあります。腰痛の症状が出る前に、むかつきやもたれなどの違和感を感じることもあります。その時点での対応が望ましいのですが、病院で診察を受けても検知されない場合もあります。
日頃からの生活習慣には充分留意することが大切です。食べ過ぎや飲みすぎが胃や腸に負担を掛けることは明白です。充分な睡眠をとり、ストレスを溜め込まない生活が何よりの予防になります。
まとめ
腰痛の原因が内臓疾患による場合
筋肉痛や関節痛以外の腰痛
内臓疾患による腰痛の見分け方
腰痛を引き起こす疾患のいろいろ
対策と予防