慢性的な腰痛をお持ちのみなさんは、腰の痛みと同時に熱が出てきたとしても、この二つの症状をセットで捉えてどうしたのだろうと心配される方は少ないことでしょう。
けれどもその状態がしばらく続く場合いつもの 腰痛 と風邪による 熱 ではなく、ほかの病気の可能性がありますので一度病院へ行ったほうが安心です。
腰痛と熱の症状が同時にあらわれたら
発熱を伴う腰痛の原因
この場合おそらく骨の歪みが原因ではありません。というのは、腰痛が発熱や寒気を引き起こすことはほとんどないとされているからです。
腰痛になると病院ではなく整体院や接骨院にまず足を運ぶ方は多いでしょう。ですが、熱があるのなら内科を受診してください。あまり知られていませんが、実は腰痛と発熱を併発する病気は多くあります。しかも重篤なものも少なくありません。
腰には直接の原因はなく、内科的な病気のサインが腰痛と発熱となって警告を発している可能性が大いに考えられます。主として細菌性の病気または消化器官の病気の疑いがあります。
急性腹膜炎の可能性
症状は腰痛、発熱、腹痛です。加えて吐き気やおう吐、脈が速くなる患者さんもみられます。急性腹膜炎は細菌性によるもの、事故などによる外傷、消化管疾患などが原因として考えられます。
我慢して様子をみようという方はほとんどいらっしゃらないと思われますが、すぐ病院へ行って緊急手術を受ける必要があります。
腎盂腎炎の可能性
発熱があるのに咳や鼻水といった風邪の症状がなく、腰の片側が痛むときはこの病気が疑われます。20~40代の女性に多く、炎症で腎臓が大きく腫れるため腰背部が痛みます。
発熱、ふるえ、悪寒などの症状が急に表れ、尿が白く濁ったり血液が混じることもあります。このようなわかりやすい症状があるのは良いほうで、膀胱炎の症状が全く出ないまま腎盂腎炎を発症するケースもあります。
進行すると腎臓が働かなくなる腎不全など重篤な病気になってしまうので、徹底的に治療する必要があります。症状が軽くなったり、いったん治っても無茶な過労や不規則な生活が続くと再発する恐れもあります。
むずかしいことですが、出来る限り身体を休めて過労を避け、根を詰めずにリラックスした生活を心がけましょう。
脊椎カリエスの可能性
結核菌が原因となり、脊椎が炎症を起こす病気です。発症すると、発熱、食欲不振、からだ全体がだるいといった症状が表れます。腰椎に発症する確率が高いため、腰痛や背中の痛みを感じるようになった時点でかなり進行していると考えたほうが良いでしょう。
この病気が進行すると椎体が腐ってしまい、寝たきりになるケースもあります。長風邪だと自己判断せずに早めに病院へ行きましょう。
化膿性脊椎炎の可能性
細菌感染が原因で背骨に起きる病気です。耐えられないような腰痛や背中の痛み、発熱の症状に苦しむことになります。特徴的なのは、痛いところを叩くと電流が走ったようにものすごく痛むことです。
発熱は、急性の高熱と慢性の微熱の症状があります。とても我慢して日常生活を続けることは困難になります。体力を奪われて治療に支障をきたす前に、病院で診察を受けましょう。
転移性骨腫瘍の可能性
骨そのものの病気ではなく、ガンの転移によって骨に腫瘍ができる病気です。ガンを早期に発見して完全きれいに取り除けていないとこのような病気になってしまう確率が高くなります。
この病気になったことがきっかけで、ガンが発見されるケースもあります。腰痛や発熱に加えて、ガンの手術経験のある方は特に気をつけていただきたい病気です。
ガンの治療経験のある方は常に心のどこかで再発の恐怖と戦っていらっしゃることでしょう。ちょっとした些細な痛みにも再発かと敏感になるかもしれません。それは精神的にもとても疲れることと察せられますが、治らない病気ではありませんので気持ちをしっかり持って病院へ行きましょう。
まとめ
腰痛と熱の症状が同時に表れたら
急性腹膜炎の可能性
腎盂腎炎の可能性
脊椎カリエスの可能性
化膿性脊椎炎の可能性
転移性骨腫瘍の可能性