背中痛と呼んで良いのか、腰痛と呼んだ方が好いのかわからなくなる時があります。実際のところ背中痛と腰痛の線引きは不可能に近く、むしろ背中痛が腰痛のひとつの要因となることが多くあります。
腰痛 の要因となる 背中痛 そのものについて、原因と対策を探っていきます。
腰痛の要因である背中痛について
背中痛から始まる腰痛
背筋の損傷や疲労によって背中が痛むと、当然それを補うために腹筋や腰部全体の筋肉や関節に負担が掛かってしまいます。それはもう、背中痛というより腰痛と呼んで差し支えありません。
その背中痛を引き起こす原因は様々で、外傷による後遺症や筋肉痛、また骨格の以上による負担の偏りなど、さらに関連痛と呼ばれる内臓疾患などが挙げられます。肩こりから発展するケースもあり、肩こりと背中痛との線引きもなかなか難しいところとなります。
人間の身体には、隅々にまで多くの神経が張り巡らされ、ときに並行し、ときに行き交いながら痛みや心地良さを脳へと伝えます。痛みの名称は人間が後から名付けたもので、痛いということを感じることが出来ればよいのです。
痛い場所がどこであるかがわかりさえすれば、改善方法を講じることもできます。あまり名称にこだわる必要はないでしょう。ただし、複雑に行き交う神経はまれに勘違いすることもあります。
外傷による背中痛
交通事故やスポーツ事故、暴行行為,あるいは転倒事故などによる外傷を受けてしまうことがあります。このような外傷はわかりやすく、整形外科の受診などにより治療していきます。
しかしながら、後遺症として残ることもあり、また一度損傷した場所を補うために、他の筋肉や関節が負担を強いられて、慢性的な背中痛や腰痛へと発展していくこともあります。
専門医による治療が終わったからと言って完治したと安心してはいけません。常に損傷個所周囲のケアやストレッチを怠らず、身体をより自然な状態へと緩やかに戻していく努力も必要です。
筋肉痛による背中痛
激しい運動や、逆に運動不足による筋肉痛、長時間同じ姿勢でいることによる筋肉疲労、背中から腰へかけての筋力不足などにより、背中が痛むことがあります。病院で診察を受け、レントゲンでも異常が見られなかった場合、総合的に筋筋膜痛症候群と診断されます。
筋筋膜痛症候群は腰痛、肩こりなどに関しても使用される、いわば筋肉痛の総称といった症名です。軽度の痛みの場合には、湿布等で冷やし、出来るだけ安静に過ごすことが大切です。痛みが治まってきたら慢性化を防ぐためにマッサージや、軽いトレーニングを続けていくことが大切です。
急に激しいトレーニングを始めると逆効果になるのでご注意ください。また、重度の痛みに対しては、病院や整骨院、整体カイロプラクティックなど専門的な知識を持った方の助言を仰ぎながら、時間をかけて治療していかなければなりません。
肩こりによる背中痛
背中と腰が隣り合っていることと同様に、肩と背中も隣り合っているので、肩の痛み・コリはそのまま背中へと響きます。その肩こりの原因として挙げられるのが、運動不足、姿勢の悪さ、そしてストレスです。どれも日常的に気を付けていれば改善できるものばかりです。
無理をしない生活を心がけることが大切です。特にストレスというのは、ときに精神的な成長を促してくれることもありますが、ほどほどの加減というものを見極め、息抜きをすることも忘れないで下さい。
内臓疾患による背中痛
内臓の痛みを伝える神経が、通り道で一緒になった背中の皮膚の神経を刺激してしまい、皮膚の痛みも一緒に脳へ伝わってしまうことがあります。これは神経が痛みを伝えるときに、周囲の交感神経や運動神経に影響し、発汗や筋肉のこり、張りを促してしまうことによります。
このような複合的な痛みを関連痛と呼びます。背中痛に関連するのは、胃、すい臓、胆のうなどが挙げられます。ちなみに腰痛に関連するものは子宮や卵巣、腎臓があります。
背中痛の原因を特定できない場合には関連痛を疑ってみて下さい。そして精密な検査を受けることも考えてみて下さい。
まとめ
腰痛の要因である背中痛について
背中痛から始まる腰痛
外傷による背中痛
筋肉痛による背中痛
肩こりによる背中痛
内臓疾患による背中痛