腰痛 を治していくためには、先ずはご自分の身体の機能、仕組みをよく理解することが大切です。 痛みを伴うということは骨格と筋肉のバランスが崩れているということです。バランスを取り戻すためには、ストレッチや 体操 などの日常的なケアが必要になってきます。
辛い腰痛を日常の体操でケアしていく
正しい姿勢
正しい姿勢をとることは、腰痛を防ぐために最も効果的なことです。そしてそれは、日常的に体操を取り入れることによって保てるようになるものです。
人間の身体の中心には背骨が一本通っています。背骨は横から見るとゆったりとした逆S字を描いています。その形が最も自然に身体を支えることが出来るからです。
つまり人間の身体は、背骨を中心に周囲のあらゆる部位に負荷を拡散させて、バランスのよい二本足での生活を営めるような構造になっているのです。この姿勢がくずれると、特定の部位に過剰な負荷がかかり痛みが生じてしまいます。
日常生活において、常に正しい姿勢で左右をバランスよく動かすという事はとても困難です。我々の日常は常に腰痛を引き起こす原因を持ち続けているのです。
ですから日常からの意識、ケアが必要になってきます。一日にほんの数分でも、気軽に出来るようなストレッチ、腰痛体操を取り入れて、予防に努めることが大切です。
意識すべき筋肉
姿勢の悪い状態が長く続くと、背骨や周辺組織に均等に力がかからないため、腰痛を引き起こしやすくなります。偏った状態で組織が固まり、関節を圧迫したりするからです。
正しい姿勢を保つためには中心にある背骨に均等に力がかかるようにすることです。すなわち周辺組織の強化に努めることです。
背筋と腹筋は背骨を支える中心的な役割を担う筋肉です。これらが衰えていくと背骨への負担はいちじるしく増大します。背筋と腹筋の両方をバランスよく鍛えていくことが腰痛への効果的な対策と言えます。
体操を始める前に
貧血気味の方、関節炎をお持ちの方、骨粗しょう症の方は、体操やストレッチが逆効果にもなりかねませんので、体操を始める前に医師への相談が必要です。
また体操を続けても関節の痛みが緩和されない場合には、原因が他にあるかもしれません。インフルエンザ、腎臓の疾患、心臓血管のトラブル等の可能性がありますので、体操を中止して医師に相談して下さい。
体調のすぐれないときには無理して行うことはありません。日常生活に取り入れられる範囲で、身体レベル、痛みに合わせた体操を行いましょう。体操の前には、各関節を軽くほぐすなど、ある程度のウォーミングアップも必要です。
痛みや状況に応じた体操
以下、手軽と思われるストレッチを3つほどご紹介します。
先ずは狭い場所でも立ったままできる体操です。
足を少し開いた状態で立ち、両手を後ろで組み、掌を上に向ける姿勢をとります。肘を背骨の方向にねじりながらゆっくりと腕を伸ばします。
この姿勢を10秒保った後、後ろに組んだ両腕を出来るだけ上にあげます。そして10秒保った後、腕を下げ、リラックスします。この工程を5回繰り返します。
この体操は、胸を広げて胸骨の関節に動きを与え、背中の筋肉を鍛えることによって、猫背などの悪い姿勢を改善する効果があります。
次に椅子を用いた体操です。
足の裏を床にピッタリ付けた状態で、椅子に真っ直ぐ座ります。両手を足の間に入れ、上体を前にゆっくりと倒していきます。
両手は椅子の後ろ足を握り、座った状態のまま、さらに背中を丸めて行きます。苦痛を感じない範囲で、数回繰り返して下さい。靭帯を伸ばし、背骨の自然な形を維持することによって、関節への負担を軽減します。
最後に少しスペースを必要とする体操です。
背中を平らにした状態で両手両膝を床に付きます。そのまま頭を上げながら息を吐き、お尻を突き出す感じで背中をくぼませます。
3秒保った後、息を吸いながら頭を下げ、お尻を引いて腰を丸めます。そのまま3秒保ち、元の姿勢に戻ります。この工程を5回繰り返します。背中を平らにした状態で頭を上げます。
この体操は椎骨を広げ、背骨を支える筋肉を鍛えることによって、椎間板の摩耗を抑える効果があります。
少しずつでも、無理なく続けられる範囲で行うことが大切です。
まとめ
辛い腰痛を日常の体操でケアしていく
正しい姿勢
意識すべき筋肉
体操を始める前に
痛みや状況に応じた体操