急性腰痛症、通称「ぎっくり腰」。 突然 の 腰痛 に襲われたとき、大切なことは医療にかかるべきタイプのものか、それとも自分で管理して寛解を待つタイプのものか判断することが肝要です。痛みが治まらない際には、病院を受診するようにしましょう。
突然の腰痛、痛みのタイプは?
外出中に起こった場合
仕事中や外出先で突然激しい腰痛に襲われた場合は、近くにいる人に知らせましょう。急な腰痛は動くと痛みがひどくなる場合がありますので、なるべく腰に負担のかからないよう座る、または壁にもたれ安静を保ちます。
一度横になると起き上がる際に痛みが伴いますので注意が必要です。また、柔らかいソファに腰を掛けると体が不安定な状態になり腰に負担がかかります。このような場合は鎮痛剤や腰痛用ベルト(コルセット)を使用するようにしましょう。
自宅で起こった場合
自宅の場合は、寝具などに自分が一番楽な姿勢、もしくは膝を曲げて横向きに寝るようにしてください。必要に応じてクッションや毛布などを足に挟むと身体が安定します。
突然発生する腰痛は患部の筋肉が炎症を起こしている可能性があり、熱を持っている場合があります。また、腰痛で発熱や頭痛の発生するケースもあります。冷やしたタオルや湿布薬で患部を冷やし、常備している鎮痛解熱剤があれば服用します。
最も推奨されるのは、アセトアミノフェンや非ステロイド消炎鎮痛剤NSAIDですが、いずれも過度の服用は副作用につながりますので標準的用量を守ります。もし、安静にしていても痛みが緩和されない場合には整形外科を受診してください。
特異的腰痛と非特異的腰痛
突然起こる急性の腰痛が発生した場合、最も重要なことは来院の必要があるか否かをなるべく早く見極めることです。
このように医療による諸定の治療の必要があるものを特異的腰痛といい、骨折や神経の障害や病気、感染症やガンの可能性、あるいは内臓など、疾患名を特定できるものを指します。
これに対してほとんど自己管理で処置できる急性腰痛症(ぎっくり腰)を非特異的腰痛と呼び、痛みが比較的軽度である場合が多いようです。突然起こる急性の腰痛の原因の8割がこれを指します。
この腰痛の原因は身体の使い方や姿勢の問題点から来ることが多く、運動不足による脆弱した筋力、肥満や柔軟性の欠如、姿勢、身体のクセがあることによって腰に過剰に負担がかかってしまい、痛みが出ている状態です。
これらの非特異的腰痛はストレッチやエクササイズ、正しい姿勢を意識するなどの本人の自己管理で治癒できるものです。
非特異的腰痛の引き金となる動作
突然発生する非特異的腰痛は疲労がたまった腰の周囲で血流が悪くなり、柔軟性を失っている時に加わった無理な身体の動きや体勢が引き金となり発症します。
腰は身体の中心であり手や足の動き、身体の方向転換などにも関与する箇所です。片方の手で重い荷物を持ったり、前かがみで作業をしたり、長時間同じ格好で窮屈な姿勢をとり続けるなどのバランスの悪い動きや強い圧迫で背筋や腰椎が損傷を受けていることに起因します。
非特異的腰痛の場合、寝床での長すぎる安静は必ずしも有効とは言えません。急性期の激痛が去ればストレッチ運動などで身体をほぐして血行を促し、起き上がれるなら軽度の作業や軽い散歩など、普段よりも活発な活動がベッド上での安静よりも疼痛を軽減し、損傷した部位の機能を回復させるためには有効です。
特異的腰痛の症状
突然の腰痛で安静にしているのに数日たっても緩和しない場合や、腰痛のほかにも何らかの症状が伴う場合、特定の疾病に原因がある特異的腰痛と考えられます。
腰痛がいつまでもおさまらず、発熱、冷や汗、寒気、吐き気、身体のだるさ、腹痛、排尿時の痛み、血尿、あるいは疼痛が食事とともに増幅したり、身体のどこかに麻痺や痺れなどの症状が場合は早急に来院して医師の診療を受けましょう。
腰椎椎間板ヘルニアや骨粗しょう症、脊髄損傷や骨折などの背骨の異常、急性腎盂腎炎、遊走腎など腎臓の病気、腹部大動脈りゅう、消化器、泌尿器系大動脈溜、子宮筋腫や子宮頸がんなどの女性特有の疾患の可能性があります。
まとめ
突然の腰痛、痛みのタイプは?
外出中で起こった場合
自宅で起こった場合
特異的腰痛と非特異的腰痛
非特異的腰痛の引き金となる動作
特異的腰痛の症状