背中や腰のあちこちを叩いたり押したりして、何とか腰痛を和らげようと試みることがあります。けれども的確でない刺激は、かえって悪化させることになりかねません。そうならないように、ピンポイントで腰痛を和らげることの出来る場所、 腰痛 の ツボ について案内させて戴きます。
腰痛を和らげるツボあれこれ
ツボとは?
漢字では壺と書きます。ツボにはまる。ツボを押さえる。思うツボ。ツボを心得ている・・・・・・などなど広辞苑で調べますと、要点、急所、と記されております。
壺という名の通り少しへこんだ場所、私たちの身体においてそこを刺激すると気持ち良くなったり、また驚くほど痛みを感じてしまったりする場所のことを言います。
ツボは神経の交わるところに在ると言われています。ツボを押さえるということは、交わる神経をほどよく刺激して、その情報伝達をスムーズにし、全身の循環を良くするということです。
人間の身体には360ものツボがあると言われていますが、そのうちのいくつか、腰痛に効果があるツボをご紹介します。
手にあるツボ
手の甲には腰腿点(ようたいてん)というツボがあります。中指と人差し指の骨を、手首に向かってなぞった時に結合する点を第一腰腿点と言います。
薬指と小指の骨の結合点を第二腰腿点と言います。ふたつの腰腿点に指先を食い込ませるように、そっと指圧します。
脚にあるツボ
脚にはたくさんのツボがあります。委中、曲泉、照海、風市の四つが腰痛に効果のあるツボになります。
ひざの裏の真ん中にあるのが、委中というツボです。親指でゆっくり押すことによって痛みが緩和されます。腰痛のほか、膝痛、坐骨神経痛にも効果があります。
ひざを伸ばした状態で出来る内側のくぼみにあるツボのことを、曲泉と言います。親指の腹で丁寧に指圧することによって、腰痛のほかに生理痛や膝関節痛への効果も期待できます。
照海というツボは足のくるぶしから指一本ほど下に位置します。腰痛のほかに、不眠症や花粉症にも効果があると言われています。
直立の姿勢で、両脇から真っ直ぐ両腕を垂らしたときに、中指の先が当たる場所が風市と呼ばれるツボになります。腰痛のほかに膝関節痛への効果もあります。
背中にあるツボ
背中には腰痛に効く代表的なツボが三つあります。
大腸兪(だいちょうゆ)というツボは、骨盤の上、丁度ウエストのくびれの辺り、背骨から指2本分左右に位置します。腰痛のほかに坐骨神経痛や便秘にも効果的です。親指の腹でゆっくり押したり引いたりを繰り返す指圧法を用います。
大腸兪から指3本分上に腎兪(じんゆ)というツボがあります。腰痛の他に内臓疾患等にも効果があります。
さらに腎兪から指2本ずつ外側に位置するのが志室(ししつ)というツボです。腰痛の他に、坐骨神経痛、全身の疲労緩和にも効果があります。
指圧するときの注意点
ツボは背骨の上にある場合を除き、身体の左右対になる場所にあります。指圧をする場合には、この2ヶ所を同時に圧すと著しい効果が得られます。
尚、妊娠中の方、急性の腰痛(ぎっくり腰)の方は指圧をなさらないで下さい。またお酒を飲んでいる場合や食事の後などは、指圧をしても効果は得られません。お酒は神経を鈍くしますし、食後は消化器系へのエネルギーが必要なため、意識が分散されます。
入浴中や浴後も血行が促進されすぎて発熱の可能性がありますので避けましょう。朝夕の二回、一ヶ所につき1分程度、上記の全てのツボを押さえるにしても20分程度に抑えましょう。
そうは言っても、的確にツボを押さえるということは簡単ではありません。わずかでもずれてしまうとただ痛いだけの指圧になってしまいます。一度プロの指圧を経験することも必要かもしれません。
たまたま気持ち良かったからといって、やみくもに指圧をしてはいけません。強く圧しすぎてもいけません。逆に筋肉が硬くなり、ますます腰痛がひどくなります。
指圧による効果は一時的なものです。腰痛が治るわけではありません。腰痛と付き合い、改善していくためには、指圧だけに頼らず、生活習慣の見直しやストレッチ、サポートグッズの活用などのケアも必要になってきます。
まとめ
腰痛を和らげるツボあれこれ
ツボとは?
手にあるツボ
脚にあるツボ
背中にあるツボ
指圧するときの注意点